レバレッジETFが長期投資に向かない理由がようやく分かった

はじめに 伸びは3倍で、損失は最大で投資金額の1倍のレバレッジETFは実はリスクを適切に押さえた長期投資には向いているんじゃないかと思っていました。 ここでは、これに関して改めて考察をしてみようと思います。 値幅は上も下も3倍 以前も書きましたが、私が持っているSPXLは上げも下げも値幅がS&Pの3倍になります。なので、コロナショックの時には激しく上下してくれました。ほんと、どMな感じでした。 実際に買い付けてポジションを持っているから身を以て体験としてわかるのですが、大量に持っていたらかなりキツかったと思います。私は、米国株に振り向けている資金の5%弱ぐらいしか持っていないので、上がっても下がってもお小遣い程度にしかなりませんでしたが、これにフルポジションをとっていて、持ち続けている人がいたら、強靭なメンタルか死んでいるかどちらかだと思います。 戻りが遅いのはなぜか レバレッジETFの戻りが遅いというのは有名な話で、なぜそうなるのかも優しく解説してくださっている方が世の中にはたくさんいらっしゃるのですが、それでもなぜか納得がいきませんでした。 何故かって、なんでかわからないけどすっきりしなかったためです。 なので、それ以降色々と頭の片隅に置きながら考えていてやっとすっきりしたので、ここに記録しておきます。重要なポイントは、以下の点です。 毎日精算されるこれは商品の仕組みなので、あぁ、そうですね。という話なのですが、日次で指数の3倍に連動させているため、その日のS&Pの上昇率の3倍がSPXLの上昇率になります。下落率も同じです。これを毎日繰り返しているので、複利は日次で働きます。これはOKでした。 上がる時と下がる時ではベースが違うこれもよく言われる話で、レバレッジETFに限らず割合の話なのでこうなります。つまり、33%下落した後に元の値段に戻るには50%上昇する必要があるという話です。これもOKでした。 株価は上下動を繰り返すこの話が当たり前すぎて理解できていませんでした。そんなの言われなくても分かっているよ。という話なのですが、実はそれが分かっていなかったという話です。 これは、1,2と相待って結局戻りが遅くなる原因になるのですが、株価が毎日右肩上がりに永遠に上がり続けることはあり得ず、そのランダムウォークとしての性質から、上がるも下がるもざっくりと50%だとすると、そのETFのポジションを持っている期間の半分程度は落ちることになります。落ちた後の戻しは、ベンチマークの指数よりも頑張る必要があります。これを繰り返しているうちに、ベンチマークよりも戻りが鈍くなる。そういう話でした。 つまり、指数が10%落ちて90%になった時に、戻しに必要なのは11%なのですが、その時にレバレッジETFは30%下げて70%なり、そこから戻しに必要のは42%で、11%の3倍の33%を超えてしまっています。これは、下落によって割合を考えるときのベースまで小さくなった一方で、レバレッジは上昇/下落の割合をベースにしているため、レバレッジETFを元に戻すにはそれでは足りず、元に戻らないと言う話です。で、これを繰り返しているうちに、レバレッジETFの方は指数に対して遅れをとってしまうと言う話です。 まとめ と言うことで、SPXLなどのレバレッジETFは長期で持つと言うよりは、どちらかと言うと短期でさや狙いの取引により向いていると考える方が自然と言うことがわかりました もしくは、インデックスや、高配当などの投資では刺激が足りない人が少し遊びで買うためにはちょうどいいのかもしれません