はじめに
先日、TQQQが株式分割したという話を書きましたが、私の所属する組織もたまに株式分割をしているので、その効果に関して考えていることをメモしておこうと思います。
株式分割の概要
さて、言うまでもありませんが、株式分割とは、とある会社の株式を分割することです。例えば、A社の発行済み株式数が100株だとして、これをある日を境に200株にするとか、そういう話です。
今回株式分割をしたTQQQの場合は、1/19の場が閉まったタイミングで株式を保有している人に対して、1/20の場が閉まったタイミングで保有株数と同数の株式を割り当てるという流れでした。
株式分割をする理由
さて、企業の経営者が株式分割をする理由は何でしょうか?つまり、何を期待して株式分割をするのでしょうか?私は証券会社に勤めているわけでもなく、投資銀行に勤めているわけでもない、単なる一人の兼業投資家なのですが、その私の立場からすると、以下の二つの理由が考えられます。
- 流動性を上げる
私の所属する組織に限って言えば、株式分割が行われるときは、必ずと言って良いほど、株価がある一定の水準を超えています。日本の株式の場合、単元と言う考え方があり、例えば1単元100株の株が1株1,000円だったとすると、その株を買い付けるのに、最低でも100,000円が必要になります。
投資をしている人であれば、単元が100,000円だと何とも思わない人も多いかと思いますが、1株5,000円になると単元が500,000円になり、こうなると簡単に取引ができる人が減ることになり、その分取引の頻度も落ち、相対的に市場における流動性が落ちることになります。株式投資をするうえで、流動性が落ちることはリスクが上がることを意味するので、その意味で株価は上がりづらくなることも考えられます。
企業の時価総額、ひいては株価はある種経営陣の通信簿でもあるため、なるべくこれを上げたいと思う人も多いはずで、株価がある一定の水準を超えたら、株式を分割したいと思う経営陣は一定数いると思います。 - 時価総額を上げる
こちらは、流動性の最後のところに記載したことと似通っていますが、視点が少し異なるので、別の物として記載します。
株価がある一定の水準を超えると、一般の個人投資家などが買い付けできずに、流動性が下がることに関しては1で触れた通りなのですが、これが株式分割されて、株価が手ごろに買いやすい値段に落ちた場合はどうなるでしょうか?
市場では、それまで欲しいと思っていたものの、高くて買えないなと思っていた個人投資家にも、その株を買い付けるチャンスが到来するため、売りの勢いよりも圧倒的に買いの勢いの方が強くなることが想像できると思います。しかも、その勢いは、企業が魅力的であればあるほど大きいはずで、結果、分割前よりも株価が上がりやすい状況が生まれ、最終的には時価総額が株式分割前よりも大きくなりやすいと考えられます。
これを意図的に利用して、株式交換による企業買収を繰り返していたのが当時のLivedoorであり、結果証券取引法違反?か何かで経営陣が捕まったなどと言う話もありました。
まとめ
- 企業が株式分割をする理由に関して、私が考えるところをメモしておきました
- それ自体は悪いことではないのですが、経営陣の皆さんには、用法容量を守って適切にご利用くださいとお伝えしたいところです
- 従業員持ち株会を使って、自社の株を買い付けている私にとっては、悪くない話だとも思っています