はじめに
不動産投資をやっているとよく聞く不動産会社による物件の囲い込みですが、賛否両論ありつつ、これは使い所次第だなと感じたので、メモしておきます。
ここでは、以下のアプローチで考察を進めます。
不動産屋による不動産の囲み込みに関しては、その不動産屋との関係性により影響が変わると考えられるため、まずは関係性を整理します。関係性を整理したのち、各々の関係ごとに不動産の囲い込みに関して考察します。
不動産屋との関係性の整理
不動産投資家として不動産屋と関係性を持つ際、その属性は以下の二つに分類されます。
- 物件の買い手
言わずもがなですが、これは私のような「不動産を買おうと思っている人」のことを指し、日夜物件を探索し、何か良さげなものがあったら問い合わせをし、場合によっては取引をする、そんな人たちです。 - 物件の売り手
一方で、こちらは自分の保有している物件の売却を依頼している人です。今持っている不動産を整理して、一旦キャッシュに変えたいとか、資産の組み替えをするために一旦売却したいとか、そんな方々です。
上記二つの属性ごとに、不動産屋の囲い込みがどのような影響を及ぼすのかを、次の章以降で検討します。
物件の買い手
物件の買い手にとっては、手間はかかるものの、各業者のポータルを巡ったり、各業者の担当と関係を築くことで、お宝物件に巡り会える可能性があるという点が買い手にとっての好ましい点です。
一方で、とは言っても弱小個人投資家がそんなお宝物件を紹介されることもなく、手間が増えるだけという見方もあるかと思います。
物件の売り手
物件の売り手にとっては、物件を業者に囲い込まれることで、世間いっぱんに対して情報が公開されなくなるため、購入希望者の数が限定され必ずしも市場において妥当な値段で売買が成立し無くなる可能性が、そうでない場合に比べて高くなると考えられます。
考察
私はまだまだ売り手の立場には立たないので、買い手の立場で囲い込みを評価しますが、ここ何度か見ていて感じたのは、稀に市場価格と比較して明確に価格設定ミスで私の思う市場価格よりも安く売り出されていることがあるなというものです。
先日は、東京のとあるタワマンでいくつかの部屋が出ていたのですが、これはいいなと思い、問い合わせをしたところ、いろいろな条件もあり個人では購入することが不可能だったのですが、これらの物件は別のルートで懇意にしている不動産屋から紹介いただくことがありました。
つまり、不動産屋でもそれを仕入れて、利益を載せた上で転売するに足りる程度には安かったのだなと思いました。また、私の感覚もあながち間違っていなかったのだなと思いました。
こういった状況なので、囲い込みされている物件に関しては、自分側に明確な基準を持つことで、対象物件を評価し、場合によっては市場よりもいい条件で買える可能性があると思うと、買い手としては囲い込み自体は悪くないなと思います。
まとめ
- 最近自分自身に起きた事例をもとに、囲い込み物件に関する現時点での考えを整理しました
- 書いての立場としては、弱気の値付けに出会えることもあり、あながち悪ではないなと思いました