はじめに
ちょっと前に、インフルエンサー投資枠として、Marqeta(MQ)の株を買ってみました。この企業ですが、分かるような分からないような企業なので、分かった事と分からないことを整理しておこうと思います。
決済の仕組みの整理
クレジットカードの決済の仕組みは、クレジットカード会社に聞くのが早そうなので、MasterCardに聞いてみたら、こんな説明がありました。
一番左の利用者が、加盟店で商品・サービスを購入する際に、情報がどのように流れるのかを整理して書いてくれています。
超単純化して、一言で言うと、売り上げに応じた伝票を加盟店がアクアイアラーに渡すと、そこから手数料を差し引いた売り上げ相当分がカード発行会社(Issuer)から加盟店に支払われる。
と言う流れです。
ここで、カード発行会社(Issuer)と書いてるのが、実際にカードをクレジットカードを発行している母体であり、ほとんどの場合銀行になることが多いようです。
こちらは、アメリカの数字ですが、issureとして最大なのは、Citiで、JPMCが時点の様です。
Marqutaはissuerの様だが・・・
Marqetaのホームページでも、SEC Filingでも何でもいいのですが、Marqetaは自分自身を、issuerと言っています。
そして、Marqetaはこれまで金融機関が事実上独占していたカード発行プロセスを柔軟で使いやすいものにすることで、課題を解決するためのプラットフォームを作ったと言っています。
と言うことで、彼らが何をしたいのかはわかってきました。
確かに、以前、日本でCredit cardを作っていたころは、なんだか金融機関にいろいろな紙を出して、ハンコを押して、間違えて、審査して、届くのは2週間後、、、と、いろいろやっていた記憶がありますが、まずはこれが無くなるという話だと思います。
また、これに加えて、いわゆるgigworkerと言う人たちが、例えばDoordashなどで、お客様の品物を受け取る際に発生する支払いに必要な金額だけ、その人のCardにチャージして支払いができるようにするとか、案件が完了するごとに、その分の報酬がチャージされるとか、そういった柔軟な使い方ができるということなんだと思います。これを実現するのが、Marqetaが触れているOpen APIなんだろうと思います。
与信管理はどうなっているのか
一方で、Credit cardと言ったら、発行するしないの情報に加え、発行するのであれば上限金額をいくらにするのか?と言った、与信の部分があると思います。
既存の金融機関がリスクとをりながら、ユーザーに信用枠を与えることができるのは、例えば、その人の口座が実際にその銀行にあったり、過去に何らかの融資をしていたりで、その個人の属性的なものが分かっているためだと考えられるのですが、Marqetaはこの辺りをどう考えているのでしょうか?
アメリカであれば、クレジットスコアの概念があるので、ユーザーのFICOスコアなどを利用することで、ある程度のリスクは回避することができそうですが、まさかそれだけではないだろうと思います。
この辺りは、既存の金融機関に圧倒的な優位性があるはずなのですが、S-1を読んでみてもあまりこれに関しては記述がありませんでした。
唯一あったのと言えば、Agreements with Issuing Bankと言う項目で、こんなことが書いてるので、このFeeの中でIssuing Bankのノウハウを借りているのかもしれません。
この辺り、結局、Marqetaが発行したカードに対する売り上げを最終的に、誰が加盟店に入金するのか?という部分がとても不明瞭だなと言う印象を受けました。
この部分の、与信や決済をMarqetaが担っているとすると、新興企業がそんなに大きなリスクを抱えられるのか?とも思いますし、そうでなかった場合、本当にIssuing ProcessだけのPlatformのため、ちょっと期待しすぎているのかもしれないなと思ってきました。
まぁ、しばらくは決算を見ながらどんな形で投資して行こうか考えていこうと思います。
まとめ
- Marqetaへの投資を始めたので、そもそもどんな会社で、どんなサービスを展開しているのだろう?ということを調べてみました。
- 確かに魅力的なサービスを展開しているのは分かるのですが、見えていない部分に大きな爆弾が仕掛けられているのではないかと思うとちょっと心配ですが、それも含めてこの先も決算を追って行こうと思います。