娘の日本語学習環境をどうするのか本当に悩む

はじめに

幼い子を持ち、海外で生活することになった人にとっては共通の悩みかもしれないと思いますが、子供の言語をどうするのが良いのか?ということに関して、今考えていることをまとめておこうと思います。

言語の区別は無いものの、娘の思考のベースは英語になっている

以前、「頂戴、ティッシュ」の際に書いた通り、娘自身は日本語と英語の違いは分かっていなさそうですが、言語のベースは英語になっていると思います。これは、娘自身が発する言葉の量や、語順などから明らかにそのように見えます。

娘は、生後3か月の時に渡米し、その後折に触れて一時帰国しつつも、基本的にはアメリカで現地人として、現地の幼稚園などに通っています。家の中では意識して日本語で話しかけるようにしていますが、今では朝から夕方まで幼稚園に行っていることもあり、英語でのインプットの方が圧倒的に多い状態になりました。

一時期は、家でもBlippiのYoutubeを見ていたこともあり、一日中ほぼ英語で過ごしてしまうことなどもありました。

娘としては、日本語と英語の区別も無く、自分が知っている言葉を並べて周りの大人とコミュニケーションを取っているだけなのだろうと思いますが、圧倒的に英語の方が多くなっています。

例えば、抱っこして抱き上げた際に、おりたくなると「おろして。」とは言わずに、「Get down」と言います。一方で、あるとこに座って欲しい時は、「Shit down」とは言わずに、「座って。」と言います。ありがとうとThank youは半々ぐらいでしょうか。おはようは言わずに、Good morningと言います。

義務教育をどこで受けさせるのかが大きな問題

今この瞬間は、私の意向で義務教育は日本で受けさせた方が良いのではないかと思い、小学校に上がるタイミングで、一度家族を日本に帰そうと考えています。

こう考えるに至った背景は幾つかあるのですが、決定的なのは、ある程度歳が行ってから日本語を学ぶのと、ある程度歳が行ってから英語を学ぶのでは、どちらの方がハードルが低いのか?という点です。

ある程度大きくなり、基礎的な言語機能を習得した人が、子供と同じように次の言語を習得するのは、非常に効率が悪く、自分たちが英語を学んだように、日本語を学ぶとなった場合、何が起きるでしょうか?

恐らく、まずはひらがなで五十音を学ぶことになると思います。続いて、カタカナで五十音でしょうか。これだけで、百の記号を覚えることになります。一方で、英語だと大文字小文字の違いはあるにせよ、合計で52個の記号で済みます。

英語が経済的な言語だなと思う一つの理由は、この52個の記号に加え、いくつかの特殊記号(カンマ、ピリオドなど)ですべての表現が完結してしまう一方で、日本語は五十音だけに飽き足らず、さらに何千何万と言う漢字を追加してようやく成り立っています。

一方で、この文字種の豊かさによって、日本語には英語には無い、文字としての見た目の豊かさなどが備わっているという点も見逃しがたいと思います。

文法的な側面はどうでしょうか?

日本語の文法と、英語の文法では殆ど共通する部分が無いため、どちらを先に学んだとしても後に学ぶ言語の足しにはならないのではないかと思います。多少影響があるとすれば、お互いの言語に翻訳されずにそのままの形で取り入れられてしまった言葉の多さでしょうか。

いわゆるカタカナ英語とか、Sukiyaki、Ikigai、Tsunamiなどなどです。

この辺は、あると理解の助けになることもありますが、往々にして誤った使い方をされれいるので、実際のところは参考にならないことの方が多いと思います。

そう思うと、際立ってくるのが日本語の記号の多さであり、第二言語として日本語を学ぼうとしたときに、会話はできるようになったとしても、読み書きができるようになるのか?という不安が頭をもたげます。

日本で義務教育を受けて、それなりの大学に入学した私は、もちろんそれなりに勉強をして、多くの日本語に触れ、大量の漢字を習得しました。それがどれぐらいの量なのかは分かりませんが、漢検一級が6,000文字程度、準一級が3,000文字程度のようなので、この間ぐらいは漢字の読み書きができるのだろうと思います。

私たちはこの数千と言う漢字を、小学校1年から高校3年までかけて学びます。義務教育の9年間で、2,000文字程度、小学校の6年間で習得する常用漢字に絞ったとしても1,000文字程度。これ位の漢字を学びます。

アルファベットよりもはるかに複雑な記号も多い漢字を、日本人は長い時間をかけて習得するわけですが、第二言語として日本語を学ぼうとした場合、この苦行に耐えられる人はどれだけいるのでしょうか?

また、うちの娘はこの苦行に耐えられるのでしょうか?

と言うことを考え始めると、どこの国の教育システムにもいい悪いがあることを受け入れたとしても、義務教育は日本で受けさせて、日本語を母語として育ってもらうのが良いのではないかと言う結論に至りました。

まとめ

  • 娘の義務教育をどこで受けさせるのが良いと考えているか?に関してメモしました。
  • 駐在員ではない人から見ると不思議な結論かと思いますが、今のところ、私の出した結論は義務教育は日本です。
  • この先、考えが変わることも十分あり得ますので、その際は改めて書こうと思います。

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