大人になると自分の得意なことが分からなくなったと思っていたのは、評価軸が曖昧で、結果であること以外の統一的な尺度がないからなんだな。

はじめに

今更ながら、こんなに当たり前のことに気がついてしまったので、メモしておこうと思います。これって、もはや就活の面接とかで、「あなたの強みは?」と聞くことの意味の無さを物語っている気がする・・・。

足が速い、格好いい、勉強ができる、面白い

中高生ぐらいまでの世界だと、男子生徒に当てられる物差しというと、足が速い、格好良い、勉強ができる、面白い、これぐらいの指標でしょうか?これらの指標の中で、クラスとか、学年単位ぐらいで序列が付けられていた気がします。もう、だいぶ前の話ですね。

ここで重要なのは、暗黙のうちに明確な指標が設定され、それに対して意義を唱えることもせずに、多くの生徒がそれを受けれていることでしょうか?なので、A君は足が早くて、B君は頭がいい、どっちもみんなにチヤホヤされるみたいな感じだし、本人もそれを自覚して、自分の特技と思う様になるということでしょうか。

年齢が進むに連れて、色々と物差しは追加されたりもしますが、基本的には追加される尺度はこの四つに比べると大きなインパクトはないでしょう。

一方で、社会に出るとこれはどうなるでしょうか?

(社会の文脈で語る、)あなたの強みとは?

なんだか漠然としていますよね。

私も、就職活動や、MBAでのインタビュー、転職活動等、色々な場所でこの質問をされた気がします。

これって、わかる様で、分からない質問だなと改めて思います。例えば、就職活動だと、会社に所属してから有意に使えるあなたの強みなのですが、それって、社会人として働いた経験のない学生が答えるには、なかなか難しい質問ですよね?

「足が速い」と言ったところで、それって、仕事でどう活かすの?という話ですし、「かっこいいです。」と言ったところで、はて?と思われて、おしまいですよね。

ここで改めて思うのは、これまで自分が認識していた強みと、社会の文脈で求められる強みというのは、ちょっと次元が違うという話なんだと思います。

「足が速い」とか、「かっこいい」とか、「頭がいい」、「面白い」というのは、結局のところ、当人の意識していない、もしくは意識していたとしても、それを実現させるための努力を苦労と思わない、そう言ったことの積み重ねから成り立っていることが多く、それこそが、「あなたの強み」ということなのだと今更ながらに思いました。

つまり、「どういう結果になるか」というのは、人それぞれ出方があるので、一概にはいえないのですが、それを実現するために、他の人だったら嫌だなと思うこととか、絶対にできないだろうなと思うことで、その他の人にはできないこと。それが、「あなたの強み」と言うことができます。

私の強みとは?

では、翻って、私の強みとは何でしょうか?

以前、直属の上司に言われたのは、「いつでも前向きに業務に取り組むその姿勢は、なかなかなし得るものではないので、自信を持ったほうがいい。」みたいなことを言われました。

当時は、「へっ?そんなこと・・・?そんなことが評価される組織なの?」と思いましたが、今だとその理由もよく分かります。それだけで、上司からすると色々と仕事を任せやすいんです。何てたって、仕事を振る前に、外からモチベーションを与える必要がないので。

一方で、最近個人的に思うのは、「人を巻き込んで業務の最適化を推進する能力が相応に高いのではないかと思い出してきました。」

基本的に、与えられる仕事に対して嫌とは言わず、なんでもやるので、他に頼める人がいない仕事になると、大体私のところに降りてくるというのが最近の流れなのですが、今回もその様な話でした。

そして、それが、ここまでとにかく受け入れ切ることを目的に業務移管を進めてきたものの、いよいよ現場が回らなくなる絵が見えてきた(私には1年前から見えていた)この業務の抜本的な改革をしてほしいと、これまた直属の上司から依頼されました。

「言うのが遅いんだよ。」とは思ったものの、まぁ、ここまで1年間その業務をやって、このままでいられることの方が少ない業務の構成だとは思っていたので、まさに抜本的に改革しようと思います。

彼らの課題管理表や、タスクリストには、これまで放置されていたメンバーからのフィードバックが怨念とともに積み上げられています。これらを解消して、皆んなが「おかげさんで、めっちゃ楽でやり易くなったわー。」と言ってくれる状態を目指して、しばらくは大変な業務改革を進めようと思います。

これは、チーム内に限るのですが、ある種の火消しプロジェクトになると思います。火消しの仕方は、その人々によって色々なアプローチがありますが、私は一回どっぷりと中に浸かります。

今回で言うと、今までパッチあてを繰り返して、全体像が分からなくなった業務フローや、怨念のこもった課題管理表など、生の情報を集めて、状況を把握し、それを形作っている背景にある構造を、本質的に作り直し、最適化するところから始めます。

ただ、これを実現するには、大きな力と多くの人の協力、時間が必要になるので、それは動かしつつも、現場の今を救うための打ち手も並行して進めます。これは、私の上司からするとすぐに見える結果が少ないので、いまいちと思うかもしれませんが、力の配分からすると、構造の作り直しに8割のパワーを、今を救うのに2割のパワーを割くぐらいの感じでしょうか。

これが上手くいくと、きっとチームのみんなは今まで以上に負担の少ない形で業務を行える様になり、精神的にも、肉体的にも楽になり、業務移管は何とか追えられる様になると思います。そして、それが私の成果になります。業務移管を完遂するところではなくて、「みんなの負担を増やさずに」業務移管を完遂できる環境を整えるところです。

この、社会に出てからの成果って、ちょっと比べるのが難しいですよね?それとか、この成果を取り上げて、だから私の強みは〇〇ですって宣言するのちょっと難しいですよね?多分、社会の文脈における自分の強みに、私が気づくのに15年もかかったのは、そう言うことなんだと思います。

インフラ系SEなんだけど、その分野でもっとできる人は五万といて私にとっては、そんなものは強みにはなり得ませんでした。また、世の中には私よりも頭の良い人や、回転の速い人もまた五万といて、私の強みなんぞにはなり得ませんでした。

「前向きに仕事に取り組む姿勢」もそうなんですが、それだけではちょっと頼りないと言うか、15年経っても新入社員と一緒ですよね。悪くないけど、もう少し何と言うかね。。。

そこで、最近やっているものの中で、自分自身はさほど苦労とも思わずに、上から求められる成果を出しているものを見回してみると、「実際にワークする業務を造り、立てつけ、定着させる」と言うことがあることに気が付きました。

つまり、これが今の組織における私の強みなんだと思います。

そして、私自身も認識している、私自身の弱みも実はここにあり、私の考える業務を成立させるためには、どうしてもITの力が必要になるので、それを実現してくれるチームメートが必要になると言うことです。

今は私のチームメンバーとして一緒に働いてくれていますが、組織は存続しても、メンバーは入れ替わるので、どこかのタイミングで私の元を離れることになると思います。恐らく、その時が私のキャリアの小さなステップになるだろうことは、想像に難くないと思います。

まとめ

  • ちょと長くなりましたが、特技の探し方みたいなことを中心に記録しました
  • ここにきて、ようやく二つ目の強みを認識した私なのですが、このペースだと、キャリアで自分の強みは3つか、良くて4つ見つけたあたりで終わりそうですね。
  • けど、強みが3つあったら、それを軸に事業を起こせそうな気もするので、上手く役職定年を迎えられなかったとしても、将来安泰かもしれません。

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