日本のサラリーマンは恵まれている つづき

はじめに

先日、日本のサラリーマンは恵まれていると言う事実に関して最近考えていることに関して記録しておきました。

この考えをさらに進めると今までとは全然違う地平が見えてくるので、それに関しても記録しておこうと思います。

前回のおさらい

前回のメモは一言でいうと、「ほとんどゼロリスクで信じられない大きさのレバレッジをかけられるのが日本のサラリーマンである」と言うことを書きました。

今回は、この事実の意味するところを、日本の企業という組織の中での位置づけから考えていることを記録しておきます。

周りでリスクをとっている人はどれだけいるか?

日本の企業に勤めているサラリーマンという属性の人で、特に私たちの様な一兵卒でリスクをとって何かに挑戦している人は一体どれだけいるのか?という話です。

新卒で日本のいわゆる大企業と言われる企業に所属することを選ぶ人は、基本的にリスク回避的な行動をする人が多いと思いますし、企業としても今のオペレーションを確実に回すという観点からもよりリスク回避的な行動をとる人の方がその戦略にかなっているとも考えられます。

一方で、ここのところよく言われる様に、現状維持は衰退の始まりだと考えると、それだけではダメで、現状をよりよくするために常に改善を繰り返す必要があり、そのために少しずつ現状を変えていかなければなりません。これも、現状を変えるという意味では多少のリスクをとっていますが、リスクと言えるほど大きなものではないと思います。

これまでの私のキャリアで、私の所属している組織でそういう観点からこの人はすごいなと思った人はおそらく一人でした。

まだ世の中が仮想化技術を企業の本番システムに導入するかしないかぐらいの頃だったと思います。今ではサーバー仮想化という言葉が陳腐に聞こえるほど、技術自体が世の中に浸透しましたが、当時はその黎明期で且つ、VMwareでもなんでもないちょっと怪しげなハイパーバイザーエンジンでした。

それでも彼は、本部内のR&D費用でそれを買入、色々と検証をし、商用環境でも耐えるという検証結果を導き出し、その後いろいろなところへそれを導入して行きました。また、それと同時に、サーバーだけでなく、その上で稼働するアプリケーションまで仮想化し、ある種私たちの仕事に革命的な変化を起こしました。

私は私の組織におけるこれまでのキャリアで、これほど色々なことに挑戦して、ことを成し遂げた人を他に見たことがありません。

私の所属している組織で、私の認識の及ぶ範囲で、およそ組織全体の1/5ぐらいのカバレッジかもしれませんが、それぐらい稀有な存在でした。そのほかの人も挑戦が、チャレンジが、という人は色々といますが、やはりなんだかこじんまりとして、あまりインパクトのあるものではありませんでした。

パレートの法則と組織におけるリスクをとる人の割合

有名な話ですが、世の中ではパレートの法則というものがあります。働きアリの法則とか、2:8の法則と言われるやつです。

これに倣うと、もともと安定志向の人が所属する組織では、積極的にリスクを取ろうという志向の人は二割の方に入ると考えられます。また、以前別のところに書きましたが、ほとんどの人は始められない、始めたとしても続けられない、続けられてもやりきれないみたいな話を考慮すると、それぞれの段階でパレートの法則が働くと考えると、以下の様に考えられます。

母数を1,000人とし、積極的にリスクを取る志向の人が200人、その中で始められる人が40人、その中で続けられる人が8人、その中でやりきれる人が1.6人ということになり、何となく前出の人の数字と一致してきます。実際に私の所属している組織のサイズはそれぐらいなので。

向かうところ敵無しなのでは?

ここまでの考察で言えることは、1,000人ぐらいの組織であれば、本当にリスクをとって何かをやり切ろうと思って実際にそれをやりきれる人は多くても2人なのです。これが、私が日本のサラリーマンは恵まれていると思う二つ目の理由です。

一般的に、学校を卒業した段階でリスクをとって大きなことを自力で成し遂げたいと思う人は、起業するかベンチャーに所属するかだと思います。なので、大企業には基本的には保守的な人が集まります。

その中で、リスクを取ろうという思考を持っているだけでもすでに一つ抜けています。後は、それを始めて最後までやりきれれば、その瞬間にその人は1,000人に1人の逸材という話になります。

さらに付け加えると、基本的に大企業に就職する様な人はその花形のポジションを一斉に争うことになりますが、それをあえて外れ、保守本流とは全然かけ離れた傍流を歩むことでさらに競争が無くなり、より物事が進めやすくなります。

そう思うと、企業の本流とは少し離れたところで、誰もやりたがらない様な少し大きめのリスクのある挑戦を、自分の上司等必要な人を説得、というより巻き込んで味方につけながらそのチャレンジをやり切れたのであれば、それは自分のキャリアにとっても大きな財産になりますし、その傍流の組織にとっても大きな財産になりますし、自分の上司にとってもとても大きな成果になります。これをやり切る気骨と気概があるのであれば、日本の企業の中では向かうところ敵無しなのではないでしょうか。これは、企業内での出世どうこうの話ではなく、キャリア構築という観点においてです。

まとめ

  • 今回は私が日本のサラリーマンは恵まれていると思う2つ目の理由を書きました
  • 組織の大小はあれど、日本の企業の風土、文化に大きな違いがないとすると、そこに馴染めないながらもなんとなくもがいている人にこそ、現状を打破できる可能性があるのかもしれません

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