はじめに
社命でDallasに引っ越して来たのが2018年の夏なので、そろそろ契約更新するかしないか決めないとな、と思っていました。まだ更新はしていないのですが、今回はDallasのApartmetnの家賃に関して振り返ります。
事の発端は
はじめににも書いた通り、そろそろ契約更新かどうか決めなきゃな?と思って、Leasing officeに問い合わせをしたところから始まります。
当時、契約書を読んだ時に、契約更新しないのであれば2ヶ月前通知と書いてあった気がしたので、改めて契約書をみるとやはり60日前に通知と書いてありました。契約更新するもしないも新しい家賃がわからないことには決められないので、「契約更新した場合、新しい家賃はいくらになるの?その場合、Specialとか何かあるの?」と聞いてみました。
返信は、「まだ見積もり作っていないけど、おそらく来週中にはemailで連絡できると思う。Specialsは家賃が上がらない限りはないけどね。」と言うことでした。
じゃぁ、ということで待っていたら、emailではなく、Apartmentのドアに手紙が挟まれていたので、あぁ、これね。といった感じですぐにピンときました。
で、どうなった?
さて、実際の家賃がどうなると言われたのかというと・・・。
値上がります。
それも結構・・・。
日本にいると、賃貸契約の家賃が一方的に上がるということはあまり考えられませんし、上げるには賃貸人、賃借人双方の合意が必要なのですが、ここアメリカでは賃貸人が一方的に上げることができるようです。
渡米してアパートメントを契約する際に、不動産屋に「5%ぐらいは平気で上がりますよ。」と言われていたので、それぐらいは覚悟していたのですが、我が家は10%ぐらい値上がるようです。10%です。給料は1%も上がらないのに、最大の固定費が10%も上がってしまっては家計管理も何もあったもんじゃないです。
で、どうする?
メールで問い合わせをした時に、「値上がらなければ、Specialsはない」と言っていたので、値上がったのでSpecialsがあるかもしれないと思い、改めて問い合わせをしています。「本当に高くてびっくりしたんだけど、何かSpecialsある?じゃなかったら、本当に引っ越しを検討しなきゃならないと思う。」って言っておきました。
予定よりも家賃の上昇が大きかったのでちょっと驚いたのですが、それでも今回の更新ぐらいはなんとかなるのですが、次回更新時にもこんな感じになると思うと、次は更新できないかな、と考えています。
他の見方はできないのか?
もちろん、ユーザーとしては家賃なんて上がらず、できれば下がってくれる方が良いぐらいなのですが、ここアメリカでは家賃が上がります。これにはどう言った意味があるのでしょうか?
同じものの値段が1年前より10%上昇する。これには二つの見方があります。
- マーケットの需給バランスが変わった
マーケットが効率的だと仮定すると、物の価格は需要と供給によって決まります。つまり、とある値段で買いたいと思う人が、売りたいと思う人よりも多くいれば、売る人はもっと値段を上げられるし、逆もまた然りです。私のApartmentの家賃が10%も値上がるということは、もしかしたらこのApartmentに対する問い合わせなどが多くて、Apartment側のマーケットにおける競争力が、私のマーケットにおける競争力よりも上がっているのかもしれません。その結果、家賃の上昇という形でそれが現れている可能性があります。 - 通過の価値が下がっている
これは概念としてはわかりづらいものの一つかと思いますが、簡単に言うと、1ドルあたりで買えるものの価値が下がってきているとい言うことです。
例えば、去年はビール一杯(500ml)$5で買えたのに気がついたらビールの量と品質は変わらないのに、$10になっていたら、それは$5で買えるビールが250mlと減っているので、通貨の価値が下がっていると考えることができます。
私のApartmentのケースに当てはめると、契約の1年後に家賃が10%上がったので、通貨の価値がおよそ10%下がったと考えることができます。
この二つの見方を合わせると、10%の値上がりのうち、2%を通貨価値の下落、8%をマーケットにおける需給バランスの変化として考えることができます。なぜ通貨価値の下落が2%なのか?ですが、これは先進諸国のインフレターゲットが2%程度に設定されているため、2%としています。その結果、10%のうち残り8%はマーケット由来の値上がりと考えられます。
上記分析が実態に即しているかを検証するには、マーケットにおける双方の競争力を評価することが難しいので、実態としては検証できないのですが、ここDallasのあるNorth Texasは昨今のEconomic Boomの影響もあり、住宅市場は活況を極めているようです。そう考えると、この分析も全く間違っている訳ではないかもしれません。
まとめ
- 日本では馴染みが薄いのですが、アメリカでは家賃は上がるものとして認識する必要があります
- 日常の活動は経済活動の塊ですので、少し興味をもって見ることで、実体と理論を行ったり来たりできて楽しいです