子供の成長は早い、では大人は?

はじめに

別に改めて言うまでもありませんが、子供の成長はとても早いです。私の娘がDallasへ来てから1年が経過しました。この間、彼女は驚くほどいろいろなことができる様になりました。一方、大人(ここでは私を例にします)はどうでしょうか?新しい土地に来て新しい生活を始めているので、色々とできることも増えたと思いますが、実際にどんな感じなのか、娘の成長と比較して振り返ってみようと思います。

娘の成長

娘はDallasに来たときにはまだ生後3ヶ月でした。故に、日々いろいろなことができる様になっていきました。例えば、まずは代表的なところだと寝返りでしょうか。生後3ヶ月ではできなかったのですが、じきにできる様になりました。いつだったかは忘れてしまいましたが、自分で寝返りを打とうと言う意思を見せたタイミングで少し補助をしてあげると途端にくるくるくるくるひとりでに転がっていく様になりました。

その後しばらく経って、つかまり立ちができる様になり、伝い歩きをしだし、数歩歩き出したと思ったら、一月もしないうちに小走りをする様になり、今ではソファーの上をソファーからソファーへ簡単に行き来します。最初につかまり立ちをした時はとても感動したのを覚えています。Costcoで買ってきたキッチンタオルのバルクをおもちゃとして与えておいたら、それを支えにいきなりつかまり立ちをしだしました。最初はうまくいかなかったのですが、何度も繰り返しトライし、最後には成功しました。

一方で、食べる方は、もともと母乳だけだったので、なかなかミルクを飲んでくれませんでした。それが理由で夜は妻だけしか娘を寝かしつけることができなかったのですが、何度かトライしているうちに哺乳瓶からも飲んでくれる様になりました。9ヶ月ぐらいのタイミングで完全に母乳を卒業し、その後は哺乳瓶だけから飲んでいます。

また、食事と言う点だと離乳食も始まり、そろそろ終盤に差し掛かっています。始めるのが少し遅かったので終えるのも少し遅くすると妻は言っていますが、それでも1年6ヶ月ごろには離乳食を終える様です。最近ではかなりの量を大人と同じ様な物のうち、味付けの薄いものを食べているので、もうほとんど卒業していると言えると思います。

こんな感じで、子供の成長は早いので1年経つと全然違う人になっている、そんな気がします。

私の成長

一方で、私の成長はどうでしょうか?

娘の成長のところで記載した部分を私は自分んの幼少期に経験してきているので、当たり前ですが、今更これができる様になるわけではありません。じゃぁ、大人としての私は何が成長したのでしょうか?

改めて振り返ってみると、この1年間でいくつかのことが新しくできる様になりました。

例えば、子育て関連だと娘のおむつを替える、ミルクを作る、遊び相手になる、寝かしつけるなどでしょうか。この辺は、子育てに参加している父親であれば、大体みなさん通る道かと思います。

その他はどうでしょうか?

例えば、資産運用の幅を広げられる様になりました。おそらくアメリカに来なければ手をつけなかったであろう、米国株投資を始めて資産運用の選択肢を広げることができました。同様に、赴任前に日本で買ったマンションを賃貸に出すことで、意図せず不動産投資も始まってしまいました。そう思うと、アメリカに来たことで、資産運用の幅は格段に広がったと言えます。また、それに伴う諸々の手続きなども基本的に全部自分でやっているので、学んだことは数限りないです。

その他、アメリカでの生活周りだと、今までは毛嫌いしていてやらずにいたのですが、海外で医者にかかることができる様になりました。日本ではほとんど運転していなかった車も、生活のために運転しない選択肢はなかったため、左ハンドル、右車線を今では何の苦もなく運転しています。

こう思うと結構色々なことができる様になりました。

子供の成長と大人の成長の違い

こうして振り返ってみると大人たる私も結構色々なことができる様になっていることに気がつきます。なのに世の中では、子供の成長はあっという間という割には、大人の成長があっという間という話は聞きません。

何故でしょうか?

理由は色々とあると思いますが、私に考え得るものとして以下の点が挙げられます。

  • スタート地点の違い
    当たり前の様で一番大きな違いはスタート地点の違いかと思います。生まれたばかりの子供はもちろん何もできないので、何か一つできる様になるだけでもそれがとても目立ちます。一方で、大人はすでに色々なことができる様になっているので、何か一つ新しくできる様になってもそれがあまり目立ちません。故に、大人はあまり成長していない様に思われるのではないでしょうか。
  • そもそもあまり気にされていない
    これも大きな要因の一つかと思いますが、子供の場合は周囲の大人のたくさんの目で観察されているため、どんな小さなことでもできる様になるとそれを確実に周囲の大人が確認し拾い上げ賞賛します。一方で、大人は自分のことを自分でどうにかできるので、何か新しいことができる様になっても、それを取り上げて認めてくれる人も、ましてや賞賛してくれる人などいません。そう思うと、大人は人知れず何かができる様になっているかもしれませんが、それを認めてくれる人がいないだけで、実はひっそりと結構成長しているのかもしれません。
  • 外的要因の不足
    私のケースでは、ここ数年は、海外に住んだり、家族が増えたりと外的要因で新しいことを始めざるを得ない状況に置かれたため、色々なことが新しくできる様になりました。一方で、一般的には大人になるとやはり人生守りに入るもので、変化はなるべく避ける様になります。その結果、外部環境は意識的に変えなければ変わらないため、ほとんど変化のない日々を過ごす様になり、新しいことを学ばずに過ごす様になるのではないかと思います。

まとめ

  • 大人の成長が子供に比べて遅いということはなく、既にできることにおける新しくできる様になったことの割合があまりに低すぎて目立たない可能性が高い
  • 新しく何かに挑戦するには外部環境を変えることが手っ取り早いのですが、大人になると変化を恐れる様になるため、それを意図的にやることは難しく、それ自体が大人の成長を疎外している可能性は極めて高い

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