はじめに
先日Twitterを見ていたら、とある二人が盛大に議論をしているのを見かけました。これを見るにつけ、色々と考えるところがあったので、メモしておこうと思います。
前提を合わせること
今回の議論は、Twitterの米国株投資家の中では有名なお二人、のっちさん(@nocchi0820)とPiffyさん(@pure_sophy)のやり取りでした。
誤解を恐れずにざっくりとお二人の主張を整理すると、のっちさんは、四の五の言わずにインデックスガチホがベスト、PiffyさんはSBGならインデックスを超えられる。この2点です。
やり取りは、Piffyさんの質問に対してのっちさんが回答する形で展開されていきます。
議論の詳細はこちらにあります。最初見た時と比べると少し情報が削除されていますね。
これを一通り読んでみると分かるのが、特段それに関して触れてはいませんが、のっちさんは「効率的市場仮説に軸足を置いている」ことと、Piffyさんは「短期的に市場は間違えることがあるが、最終的には正しい判断を下す」つまり、市場は十分には効率的ではないという考えです。
効率的市場仮説に関しては、インターネット等で検索すればいくらでも出てきますが、一言で言うと、「情報の非対称性が存在せずに、市場の参加者は常に最適な行動をとる」と言うもので、Piffyさんの主張は、そうではなく「情報の非対称性が存在する場合があり、それは時間とともに解消される」と言うことです。
外からのコメントもあり、本質が分かりづらくなっていますが、VOOとSBGどっちが優れている?と言う表面的な議論ではなく、もうちょっと突っ込んだ議論をしています。ただ、議論のテーマがより本質的な部分であり、前提からしてお互いが合流できるところが無い。
と言う話のように見えます。
適切にジャッジできる人が周囲にいること
これはより重要な話なのですが、まぁ、勝敗を付けるために議論をしているわけではないと思うので、結果どちらでも良いのかもしれませんが、のっちさんに肩入れする人はのっちさんの完勝、Piffyさんに肩入れする人はPiffyさんが論破したと思っているようです。
上記、「前提を合わせる」と言うことをしないままでこの議論が始まっているので、私にはどちらの主張も正しいように見えます。
効率的市場仮説は科学的に検証された考えであり、これまでの経済はこれに則って発展してきました。これを疑うことはできても、より優れた仮説を構築することは一般人にはほぼ不可能だろうと思います。
一方で、一部の極めた人たちにおいては、市場を出し抜くことも可能だと思います。永遠に出し抜き続けることが可能かは甚だ疑問ですが、IMDにいたころにFinanceのクラスで、ノーベル賞を受賞した天才経済学者たちが組成したファンドで、継続的に市場のゆがみをついて、継続的にインデックスよりも高いパフォーマンスを上げているところがあるという話がありました。
と言うことで、今回の、のっちさんとPiffyさんの議論をはたから見ていて、これをちゃんとジャッジできる人がコメント欄にいたのかがどちらにも興味のある私からすると少し不安でした。
まとめ
- Twitterでここまで有益な、本質的な議論をしている人がいることに驚いたので、私の眼にはどのように映っていたのかをまとめました
- ゴリゴリのど理系だった私が経済を学ぶのが好きなは、こういうところにあり、数学と言う言語で、人間の活動を書き連ね、数式では表しきれない、例外的な部分に人間らしさが宿ると考えているからです
- こんな面白い議論が、またどこかで見られると良いなと思いながら、引き続きお二人をフォローしていこうと思います