市場に居続けることは難しいのか

はじめに

この一週間は株式投資家にとってはなかなかつらい一週間になったようです。一週間通してDowが10%程度値下がりしたようで、普段参考にさせていただいているブログでもかなりの方が資産が溶けたと言っていました。

ところが、「資産が溶けた」と皆さん仰る一方で、「私は退場する」と言っている方は一人もいませんでした。今日はこの「市場に居続けること」に関してメモをしておきます。

市場に居続けると何が起こるのか

どこかで書きましたが、私は修士課程に在学中の頃から少しずつ投資を始めているため、投資家歴でいうと15年ぐらいでしょうか。この間、三菱自動車のリコールで投資家デビューを飾り、ライブドアで華々しく散り、会社の持ち株会をはじめ、リーマンショックで日経平均ETFを買い向かい、今回のコロナショックに遭遇しました。

15年を振り返るといろいろなことに遭遇しているなぁと改めて思います。整理するとこんな感じです。

  • 三菱自動車
    リコールのあおりを受けて株価が90円ぐらいになったと記憶しています。この時に買いで入り、一時300円ぐらいまで上がったのですが、売り時を逃し今でも保有しています。
  • ライブドア
    当時勢いのあった堀江さんですが、目立ちすぎて捕まっちゃいました。おかげで株価1/10ぐらいになりほぼ無価値になっちゃいました。
  • 持ち株会
    入社後、加入に伴うインセンティブが大きかったのでひたすら積み立てています。馬鹿みたいに積み立て上限までを給料が上がるたびに積み立てているので、現在では大きく含み益を抱えています。時価にして2.5倍ぐらいになりました。
  • リーマンショック
    会社の規制で個別株は売買がめんどくさかったので、入社後しばらく日経平均連動型のETFを定期積立で買い続けていました。アメリカに赴任した際に現金が必要だったため売ってしまいましたが、これは\24,000ぐらいのタイミングだったのでかなり利益が載っていました。リーマンショックで日経平均が\7,000台ぐらいのときにいくらか追加していたのでなかなかいい感じの利益だったと記憶しています。
  • コロナショック
    今回の調整はなかなか大きめの調整でした。毎月定期的に一定額を入金しているので、何か大変なっことが起きなければ前月末よりも資産が減ることは少ないのですが、今月末時点での資産総額は先月末よりも低いかもしれません。入金後10%程度下がったので。

私のささやかな兼業投資家人生15年でもこれ位のことが起きているので、市場に居続けると結構いろいろなことが起こることが分かるかと思います。

市場に居続けるのに必要なこと

市場に居続けるのには以下のいずれかの要素が必要なのではないかと私は思っています。

  1. 超怖がりで自分のアカウントを見ることもできない
  2. 超めんどくさがりでアカウントを管理することができない
  3. 強靭な精神力で常に自分で決めた行動をとることができる

各々深堀してみましょう。

超怖がり

これは、いわゆるバイ&アホールドということに近いと思いますが、結局、資産総額が上がっても下がってもドキドキしてすぐに取引しちゃうのがいろいろなところで致命傷となり市場から退場しちゃう人が多いように思います。その点、超怖がりで、資産を確認することもできないような人であれば、買ったが最後、死ぬまでその状態で置いておけるので、市場に永遠に居続けることができると思います。

超めんどくさがり

こちらは超怖がりと少し似ていますが、怖がりさんよりはよりアクティブですが、売買をするのがめんどくさい、一回やったらそれを後は自動でもしくは誰かが何とかしてほしいというタイプです。

こういった人は、いかに自分の手を煩わせずに、決まった行動をとるのかにかけている方が多いため、定期定額積み立て、DRIPなどを使ってとにかく手を掛けずに資産を増やせると思います。また、いずれも買うための手段は提供されていますが、売るための手段はあまり見たことが無いため、一旦設定してしまえば、あとは勝手に資産が増えていく。そんな感じです。

鋼の精神力

こちらは、「超めんどくさがり」の人が自動で行っていることを手動で行い、自分の資産総額がどうなろうと、自分で決めたルールをひたすら守り取引を繰り返せるタイプの人かと思います。きっと、とびぬけた投資家の方々はこういった方が多いんだろうと思います。一般的には難しいですね。

自己分析

いろいろな見方があるかと思いますが、私自身は私のことを「超めんどくさがり」と「鋼の意思」のハイブリッドかなと思っています。

会社の持ち株会の拠出上限まで設定して、あとは放置しているあたりは、極端に「超めんどくさがり」の資質が出ていると思います。何なら配当も自動で再投資なので。

一方で、アメリカでの証券の買い付けは自分で入金して、自分で買い付けないとならないので、ここには鋼の精神力が求められます。毎月給料が入金されるとそのうち1/3程度をそのまま投資口座に横流しし、翌日持ち株の中から評価額の低いものを入金額の半額を上限に買い付ける。さらに、月末に残りの半額で改めて追加の投資をする。そんな感じでひたすら持ち株数を増やしています。

これを株価が上がろうが、下がろうが特に気にすることなく淡々とこなしています。ただし、今回の調整のような大き目な株価の変動では少し多めに買いに入ることを決めているので、そのための現金を毎月少しずつ積み立てている。そんな感じです。

市場に居続けることは難しいのか?

結局、市場に居続けることは難しいのか?この問いに対する答えは、各人のパーソナリティによるところが大きいという何とも言えない答えになりそうですが、私のような人間や、上にあげた3つの素養を備えている方々にとっては、あまり難しいことではないのかなと思います。また、そういった視点で、投資家の方々のブログを読んでみると、皆さんがどのようなマインドで臨んでいるから市場に居続けられるのかが見えてくる気もします。

まとめ

  • 特定の素養を持った人にとっては調整時も含めて市場に居続けることは難しくはありませんが、それ以外の大多数の人にとってはやはり難しいんだと思います。
  • 調整、暴落などが発生した際に市場に居続ける自信が無い方は、「超めんどくさがり屋」の素養を磨くことを個人的にはお勧めします。

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