はじめに
以前、Dependent care FSAというものがあることを知り、これを使ってどうにか税金を節約できないものかと考えたのですが、どうも無理そうだということが最近わかりました。
一方で、この制度自体は、在米邦人の皆さんにとってもとても有益な仕組みだとは思うので、紹介しておこうと思います。
制度の説明
公式な説明は、こちらのサイトに譲ります。
https://dallascityhall.com/departments/humanresources/benefits/Pages/fsa.aspx
私の理解の範囲で、多少間違っていることもあるかもしれませんが、大きく間違えてはいないだろうという前提で、簡単に説明すると、FSAに対して拠出した金額は、課税所得のカウントからは外れるため、年末のTax Returnの際に、相応の税金が免除されるということです。
上記サイトをサッと読んだ感じだと、以下の流れの様です。
- FSAアカウントを作る
- FSAアカウントに対して、給与天引きで貯金をする
- 対象となる用事(医者とか、チャイルドケアとか)にかかりお金を払う
- 領収書とともに申請して貯金からかかった費用を出金する
- 年末に確定申告をする際に、適切に申請をするとFSAアカウントから取り崩した分だけ、課税所得から控除される
という感じの様です。
アメリカは何かとお金のかかる国で、子供を幼稚園に預けるだけでも、特に補助もなく月間$500~$1,000と言うのは割りに普通にかかりますし、共働きだと払わざるを得ません。
こう言った費用をFSAアカウントで精算すると、その分が課税所得から控除されるため、その金額かけるTax Bracketの分だけ税金が返ってくると言う仕組みの様です。
制度の思想
この制度ですが、日本人の私からするとなんて良い制度なんだろうと思ってしまいます。あらかじめ特定のアカウントに給与天引きでお金を入れておくだけで、娘の学費分が課税対象所得から控除されるため、そこそこの金額が返金されます。
一方で、何でこんなにめんどくさい仕組みにしたんだろうか?とも思います。
同じ領収書を出すだけなら、確定申告の際にIRSに出せば良いのに。どちらにしても行政側の手間は変わらないはずなので。
と思うと、そうする理由があるはずなのですが、私はここにアメリカの難しい部分を垣間見た気がしました。
恐らく、重要なのは天引きで貯蓄を作ることにあり、それを促進するために、税制面でのメリットを付与しているのではないかと思います。
日本人だと、月の給料の幾らかを貯蓄しておき、何かあったときのために貯めておくことは至って普通のことと思いますが、アメリカ人の多くにはそう言った考え方はない様で、基本的にキャッシュフローが回っていれば問題ないと思う人が多い様です。もちろん、そのフローの中にはストックに回る流れはありません。
そうなると、医者にかかるなどで急な出費が発生した際に、それを支払えるだけの蓄えがなく、敢なく自己破産の憂き目にあってしまう人が多いのではないかと想像します。
こう言ったことが発生しない様に、そこそこ高い確率で発生する急な出費に対して、国民が前向きにそのメリットを享受しながら準備できる様に、為政者はこの仕組みを考案したのではないかと思います。
Dependent Care FSA、つまり被扶養者のお世話のための費用を貯蓄しておくための口座ということで、子供の世話、両親・同居人の介護など、色々な人の人生で発生するイベントですが、そう言ったイベントから、扶養者、被扶養者の両方を守るための制度なんだろうと思います。
まとめ
- 最近仕入れたDependent Care FSAに関して制度の概要と、勝手に想像したそのあらましをメモしておきました
- 私の所属している組織でこれが使えるのかどうかは知りませんが、使えたら嬉しいので、一度聞いてみようかと思います