9/29-10/2にかけて、イタリアのPortfinoという港町で、SDA Bocconiというイタリアのビジネススクール主催、RolexスポンサーのConference & Regatta Competitionに参加して来ました。参加自体は、6月か7月ぐらいには決めていたので、そこから準備をする時間は十分にあったものの、旅行したり、まだ時間あるからいいだろ〜とかいつもの感じで過ごしていたら、結局練習をする時間がなくなり、ぶっつけ本番で臨むことになりました。
個人的な理解では、Sailingはスッキッパーの指示のもと、各ポジションにつく個人が全力で自分の仕事を行うことで、ボート全体としてもっとも効率的で確からしいルートを進み、他のボートよりも早く目的地へつくための、総合力を問われるゲームだと感じました。チームIMDは経験者2人(スキッパー)と初心者6人のほぼ初心者チームでかつ、国籍もメキシコx2、ブラジルx2、ロシアx1、スイスジャパンx1、ポルトガルx1、日本x1の多少ラテン系に寄りつつも基本的にはバラバラの混成チームでした。
コミュニケーション言語は基本英語なのですが、海の上なので人命に関わる事故が起こる可能性があることと、競技なのでかなり熱くなってしまうことがあるということで、時にローカル言語(主にスペイン語)が飛び交うこともしばしばありました。
この、クラスメートと一緒にSailingでしかもCompetitionに参加するという経験は、私に自己を振り返る新しい視点をもたらしてくれました。一つ目は、普段はあまり熱くなりすぎないように意識しているのですが、やはり競技スポーツという点と命の危険が隣り合う状況で甘えは許されないという点が、私の普段は人に見せない「熱く厳しい」部分を前面に押し出した点です。これには同じボートに乗っていたブラジル人もびっくりしたようで、「タカシがそんなに競技に入れ込む人間だとは知らなかったし、それに関しては本当に尊敬する」と行っていた程でした。二点目は、改めてリーダーとリーダーシップの違いを体感したことです。IMDに入ってから、リーダーシップとリーダーの違いに関して、コーチからアドバイスをもらったことがありました。簡単にいうと、リーダーは役割の事で、リーダーシップは自分のタスクを責任持ってゴリゴリ進めるためのもの。
今回のレガッタでは、リーダーは紛れも無くスキッパーだと思いますが、その他のメンバーもそれぞれ責任を持ってそれぞれの仕事にあたり、確実に行うためにリーダーシップを発揮する必要があるりました。そのためには、自分のタスクが全体においてどういう位置付けで、なぜそれをやる必要があり、うまくいかないとどうなるのか?など、色々と納得した上で、全力でタスクを進める。各タスクは連動しているため、周りとコミュニケーションを取りながら確実に進めないと、後続のタスクが遅れ、最終的にはボートが予定通りの航路で進めなくなるなど大きな問題に発展します。
あれっ、これってなんだか普段のプロジェクトマネージメントにそっくり。
今回のSailingでは素人ながらも、自分が問題でボートの進行を妨げるような事態には至らなかったものの、例えば自分のタスクがしっかりと理解できていなかったり、理解できていてもそれを体を使って表現できるだけ習熟していなかったりと、いくつか問題が発生しうるポイントは予測ができ、それらを確実に消化して本番に臨む、消化できなかった場合はできるまで周りを巻き込みながら消化する、ことがリーダーシップなんだなと改めて考えさせられました。