日本の免許を持っている人がスイスの免許を取得する方法

この件に関しては、先にスイスにいらっしゃった皆さんが色々と情報をアップしてくれていましたが、情報がまちまちだったりで結局のところどうなの?というのがわかりずらかったので、今後スイスにいらっしゃる方の参考になればということでここにまとめておきます。

スイスの免許は必要か

そもそも、スイスの免許を取得する必要があるのか?
スイスで運転手として働くわけでなく、滞在期間が1年以下なのであれば在スイス日本国大使館のページに記載の通り、日本の運転免許があればスイス国内で運転することができるので、必ずしも免許を取得する必要はありません。一方で、スイスで運転手として働く、もしくは、一年以上スイスに滞在する予定で、引き続きスイスで運転をしたい場合は必ずスイスの免許を取得しなければなりません。
海外で車を運転するときには国際免許が・・・という話もありますが、同じく記載の通り日本で発行できる国際免許は、スイスでは公式には免許としては認められないため、これを持っていても日本の免許なしでは運転することができません。じゃぁ、なぜそれを持って行くかというと、スイスの警察官が日本語を理解できるわけはなく、日本の免許を見せたところで、それが免許なのかどうかすら確認することができないため、翻訳の代わりに持っているといいよね。ってぐらいの話です。
じゃぁ、なぜわざわざ必要のない免許を取得するのか?という話ですが、これには幾つか理由があります。
  1. ヨーロッパ全域で運転できるようになる
  2. 生涯有効で更新不要
  3. IDに変わる身分証明書を得られる
  4. 単なるコレクション

等でしょうか。4は置いておいても、1〜3だけでも十分取得する価値があると個人的には思います。

スイスの免許をどうやって取得するか

では、実際にどう取得するかですが、大まかな流れは以下の通りです。
  1. 申請書を入手する
  2. 日本の免許の翻訳を作成する
  3. 視力検査をする
  4. 在住証明のサインをもらう
  5. 申請書を提出して免許を受領

各々、以下で説明していきます。

申請書を入手する

申請書はWEBでダウンロードできるという話なのですが、いかんせんフランス語でしか書いていないため、見つけるのは困難を極め結局諦めて現地にもらいに行きました。現地へは21番バスに乗り、Bossonsで下車し徒歩5分ぐらいです。

日本の免許の翻訳を作成する

これが少し混乱するポイントではあるのですが、免許の翻訳と日本で発行できる国際免許は別物です。免許の翻訳は居住地の近所の大使館もしくは領事事務所で依頼し、作成してもらいます。Lausanneの場合はGenevaに日本領事館があるので、そこで依頼して作成してもらいます。依頼してから1週間ほどで翻訳が出来上がり、受領時にCHF17支払います。翻訳の依頼に際しては、日本の免許証を預ける必要があります。

視力検査をする

街のメガネ屋さんで視力検査をして、あらかじめ取得しておいた申請書に結果を記載してもらいます。視力検査の方法は日本のそれとほぼ同じで、視力に応じたサイズの文字を読んだり、視野の広さを測ったりします。CHF20でした。

在住証明のサインをもらう

コミューン(いまだにこれが何なのかはわからないのですが引っ越したら最初に行くところです)へ行って、申請書の該当部分にサインをもらいます。おそらく、申請者が確実にその住所に居住していることを証明するためのサインなのだとは思いますが、これも確かCHF17ぐらい払ったと思いますが、こんなことに金取るなんて・・・。

申請書を提出して免許を受領

ここまでの事前準備を終えると、ようやく申請書を完成させられます。あとは、申請書内にある質問事項に一つ一つ答えていき、写真を貼ったら完成です。完成版の申請書、日本の免許及びその翻訳、IDを窓口で提出すればものの数分で完成した免許を受領できます。なお、運転できる自動車の重量がスイスと日本では異なるらしく、日本では確か8tだか幾らかまで運転できるはずなのですが、スイスではそれはプロフェッショナルなライセンスになるらしく、それも合わせて取得しようとすると、別途試験を受ける必要があるらしく、「どうする?」と聞かれたので、「めんどくさいのでいらない」と答えて、追加でその部分を省くみたいな宣誓書にサインして、無事に手続き完了しました。
費用は不明ですが、2、3日後に請求書が郵送されてくるらしいので、開けてみてからのお楽しみです。CHF45という噂を聞きましたが、実際どうなんでしょうか。。。

参考にした情報

Lausanneでできる料理 その2

Lausanneだけに限らないのですが、この辺(多分、スイスとドイツをはじめとしたその他欧州各国も含む)では、日本で簡単に買えるような、一口大に切られた鳥もも肉を簡単に買うことはできません。そもそも売ってないからです。ヘルシー志向という噂もありますが、鶏肉は圧倒的に胸肉が人気のようです。その他脂肪分の少なさそうなうさぎなども売っていますが、あのジューシーな鳥もも肉は簡単には手に入れられません。でも、鳥もも肉が好きで好きで仕方ない自分は試験も終わり、一息ついた6月についに一大決心をして、骨つきのもも肉(クリスマス会とかに出てきそうなあれ)を買い、自分の手で解体することにしました。

調べたところ、同じ悩みを持つ主婦の皆様(自分は主婦ではなく単なる学生ですが・・・)は欧州各国にいらっしゃるようで、程なく動画付きで丁寧に教えてくれるサイトにたどり着きました。たとえばこれとか、これとか。Lausanneは牛肉、豚肉が高く、今まではなかなか動物性蛋白質を摂取することが難しかったのですが、鳥もも肉は人気がないのか比較的安く買えます。これで、スーパーの安売りなどで幾つか仕入れて解体して、冷凍しておけばいつでもあのジューシーな鳥もも肉を食べることができます。もちろん、解体して残った骨は出汁をとるために余すところなく使っています。

日本がいかに便利な国か、骨身にしみて感じる一方で不便な環境に身を移すことで、得られる技術もあるんだなと改めて思います。

文化的な違いを受け入れる難しさ

IMDのプログラムの一環で、イタリアにあるSantuario di Oropaへ行きました。ここは、イタリアの北部、スイスの国境とほど近い山間部にある、世界遺産にも登録されている修道院です。カルチャルトークとは別に、ただここを訪れるだけでも価値のある場所だと思いました。修道院に宿泊することができ、そこを拠点に簡単な山登りもできます。頂上からはヨーロッパアルプス(多分)を一望でき、とても満足感の高い場所です。

ここでは、キリスト教の司祭の方のお話を伺い、後に事前に配布された読み物を一通り読んだ上で、なぜ自分たちはそういう行動をとるのか?を文化的背景から探っていきました。ここでの気づきは、大きく二つありました。

  • 一神教と多神教の交差点

件の司祭さんが、”You can find God everywhere in the world”と仰っていました。最初は特に気にならずに通り過ぎてしまったのですが、改めて考えると「はて?」って思います。キリスト教は一神教なので神は一人しかいないはずなのに、どうやったらeverywhere in the worldに神を見つけられるんだろう?と。
ということで、普段あまり講演者に質問をすることはないのですが、気になって仕方がなかったので、休憩時間に思い切って質問をしてみました。「多神教の世界で生きている自分からすると、とても理解できる話なんだけど、一神教徒の方々はそれをどう解釈してるの?」
彼の答えには、「なるほど」と頷かされました。それは、実際にそこに神がいるわけではなくて、万物は神の働きかけによって今ある形(形態、運動などなど、目に見えるもの見えないもの全て)になっている。と解釈することで、世の中のいたるところに神を見つけることができるとのこと。

  • 木を見て森も見る

ここでは、インドと日本がペアになりお互いの文化を紹介しました。事前に渡された資料がちょっと古い文献だったために、インドと日本に関する記述に偏りがあったことも原因だと思うのですが、インドの発表はなかなか刺激的なものになりました。
プレゼンテーションは、ディベートではなくせいぜいディスカッション程度だった思うし、またテーマもどちらがより優れているかではなく、文化的背景が自分たちの行動様式にどう影響しているか?だったはずなのですが、日本とインドを比較してインドがいかに優れているかのプレゼンになってしまい、彼らの行動様式に影響する文化的側面を見ることができなかったのが残念でした。
プログラム全体、修道院でカルチャルトークをする意味、それらを踏まえた上で自分が今しなければならないプレゼンテーションはどういったものか?まで意識して色々とできるともっと彼らのプレゼンスは増すと思うのですが、なかなかうまくいかないみたいですね。日本よりもはるかに厳しい競争を勝ち抜いてきた精鋭がここにはいるので、どうしても自分たちの優位性を示したくなる気持ちもわかるのだけれども、今はそれをするタイミングじゃないかな。

IMDでの出来事(15週目〜28週目)

気がついたら、15週目(おそらく中間試験終了後ぐらい)からずっとblogの更新が滞ってしまいました。この間、学校の勉強+MBAT出場に向けたIMD側の取りまとめと、HECとのやりとりなどをしていたら忙しすぎて色々なことに手が回らなくなり、blogも置き去りになってしまっていました。

気がつけば、期末試験も終わり、IMD公式のプログラムとしては今はCEP: Company Engagement Projectの期間に当てられています。90名の学生全員が個別に受入先企業を探して5週間インターンをしています。ローザンヌをはじめとしたスイスの企業でやる人や、地元(といっても、世界各地から来ているので米国やアフリカなどいろいろ)に戻ってやる人など行き先は人それぞれ千差万別です。社費派遣でIMDに来ている私はインターネットをすることができないため、Individual projectをすることになっています。

さて、冒頭に触れたMBATですが、これはHEC-Parisというフランスのビジネススクールが主催してこの25年間ぐらい行われている、言わば欧州MBA大運動会といったところです。欧州全域からおよそ20校2000名が集まり、各学校の威信をかけて色々なスポーツで競い合います。
スクールによっては、オフィシャルのプログラムとして登録されており、学校側との調整もなく簡単に参加することが可能なのですが、IMDはここ数年参加しておらず、最後に参加した際の情報もうまく引き継がれておらず、すべてを0から始める必要があり取りまとめの人間としてはなかなか苦労しました。
それでも、最終的にはMBATの打ち上げでIMDから参加したみんなの満足気な表情を見ることができて、やった甲斐あったかなと思います。来年以降のクラスが参加するのかは不明ですが、参加する人がいた場合の参考のために以下にポイントをメモしておきます。

  • 参加意思の表明

まずもって、HEC側に参加の意思を表明する必要があります。

例年参加している学校であれば、HEC側から声がかかるのかもしれませんが、IMDは久しぶりの参加かつプログラムの開始が1月のため、何はなくとも出遅れていました。今年はHECが各校に参加者の上限を割り当て、余剰が出たらウェイティングリストに順次割りあてる形となっていました。IMDは参加表明が1月だったため、20名しか割り当てられませんでした。その他の学校は100名だったと思います。

  • 参加者の調整

スポーツごとに参加メンバーの下限と上限があります。例えば、クロスカントリーであれば3名チームを2チームまでエントリーできたので、最低3名最大で6名でした。これを、参加希望するメンバーの中で割りあてる必要があります。どの競技に何名エントリーできるかはHECからの情報を待つしかないのでどうにもできないのですが、競技間の人数調整はなかなか難しいです。あの競技に参加したいんだけど、一緒に参加する人を探しているとか言った情報をうまく吸い上げて、チームとしてまとめる必要があります。

  • 学校との交渉

MBATは木曜の午後に参加登録、金曜の朝から競技開始、土曜の夜に終了のスケジュールです。IMDは通常通り授業があるので、参加者が多数になり木曜からフルで参加する場合には、事前にMBA Officeと調整しておいたほうが無難でしょう。彼らは、学生にプロフェッショナルであることを求めるので、当たり前ですが大量の人がクラスをスキップすると問題になります。2016のケースでは、金曜の最後のクラスが終わったらその足でローザンヌ駅から電車で会場入りしました。本来であれば、金曜の夕方には1週間のレビューがあるのですが、それだけはクラスのオンブズマンに話をしてずらしてもらいました。

  • スポンサー探し

今年は運営を一人でやったため、ここまでは手が回りませんでしたが、もし運営を複数人でやって、地元企業や卒業生などとコネクションがある人がいたら、スポンサーを募ってもいいかもしれません。MBATの参加費用自体は350ユーロでしたが、補助があるに越したことはありませんね。

クラスはというと、色々とありましたがより物事を包括的に捉えるためのクラスが多かったと思います。コーポレートファイナンス、International Politics and Economy、Strategyなどなど。いずれのクラスも大変興味深かったのですが、個人的にはやっぱりFinanceとInternational Politics and Economyですね。
といった具合で、いくら時間があっても書ききれないので、これで15週目以降の振り返りとします。