はじめに
たまに投資のことを書いていますが、私の兼業投資家歴もそこそこ長くなってきました。アメリカに来て以来、日本で投資を始めた時と同じかそれ以上大きな転機を迎えたので、これに関して記録しておこうと思います。
何のことか?
私も御多分に洩れずそうだったのですが、日本で投資をしている方々であれば少なからず気になるであろう為替の話です。
私の投資遍歴はざっくり言うと、2005年あたりからのLiveDoorや三菱自動車あたりから投資家デビューし、就職後は業務の性質上個別銘柄の取引は手続きが煩雑なため、自社の持株会と日経225連動のETFでほったらかし投資をしていました。
これは、当時色々と勉強した結果、それがベストだと考えたからです。持株会では無条件に奨励金がつくため、これを上回る運用益を出すのは素人では不可能だと考えていましたし、長期で時間が取れる場合は、ノーロードのETFでインデックスに投資するのが結局一番成績が良いと言う、当時いくつかの書籍で勉強した結果をそのまま自分のケースに当てはめて投資活動をしていました。
一方で、米国株投資に関しては、そもそも選択肢に入れてすらいませんでした。それは結局のところ、株式のリスクに加え、為替のリスクをとることが自分には過剰なリスクとなりうると考えていたからに他なりません。
転機はアメリカ赴任
言わずもがなかもしれませんが、転機は2018年8月のアメリカ赴任です。これによって、私の投資活動に以下の変化がもたらされました。
- 給与がドル建てになった
これが一番大きな影響だと思いますが、給与がドルで支給されると言うことは、今まであった為替リスクを負わなくて良いことになります。
つまり、今までであれば、誰かが円をドルに変えてその上で運用をし、利益を確定するタイミングでさらにドルを円に変えることで、往復の為替手数料および為替リスクを払う必要があったわけですが、ドルで運用する限りにおいてはこれがなくなります。 - 急にキャッシュが必要になった
日米間での引越しをしたわけで、もちろん会社からも幾らかの補助は出るのですが、後払いだったりするので、なんだかんだでかなりの持ち出しがありました。このキャッシュを工面するために、日本で持っていた証券のうち、持株会の株式以外のほとんどの証券を現金化し、アメリカでの生活立ち上げのために使ってしまいました。
結果、含み益もそれなりに乗っていたので、タイミング的には悪くなかったのですが、日本での証券口座はほぼ0円になりました。 - 日本の証券口座で取引ができなくなった
これは駐在員あるあるだと思いますが、原則、日本の証券会社では日本の非居住者は取引をすることができません。これはもちろんオンラインでも同じく取引をできません。なので、自動的に日本で持ち株以外の買い付けはできなくなってしまいました。
どうしたのか
そうなったら、アメリカで投資家デビューをするしかありません。
私は基本的に、ドル資産と円資産を別物と考えているので、赴任当初は生活防衛のための資金を貯めるためにしばらくはOnlineSavingsアカウントを使って多少のCashを用意していましたが、それも「生活防衛資金」と呼べるだけ蓄積されたので、アメリカで証券口座を開設し、投資家デビューしました。
とは言っても、五万とあるアメリカの上場企業の中からどこの株を買ったら良いのかなんて直ぐに分かる筈もなく、色々と日本にいらっしゃる米国投資ブロガーの方々の情報を参考に、以下の投資方針にたどり着きました。いわゆる長期投資、連続配当・高配当、ETF中心といった感じです。
投資対象は以下の通りですが、今後もう少しリスクを取りながらポートフォリオを拡大していこうと考えています。
ETF
- VYM
言わずと知れた、Vanguard社の高配当ETFですが、「高配当」の割に3%程度とちょっと物足りないなと思っています。私のポートフォリオで最大の勢力。 - QQQ
言わずと知れた、NASDAQ連動型のETFです。当たり前ですが、Tech系企業のボリュームが多く景気に大きく左右されるETFです。VYMとQQQから投資を始めたこともあり、今の所この二つがMarketValueで1,2を占めています。 - AGG
アメリカ国債に連動するETFでBNDなどとよく比較されます。年利2%ぐらいで毎月分配なのでキャッシュの代わりにと思って買い始めましたが、この先の処遇を検討中。 - SPXL
最近買い始めたS&P500の3倍の値動きを目指すETFで、ここは多少のリスクをとった趣味の投資としての位置付けで少し買い始めました。全体の5%を超えることはありません。
個別銘柄
- MO
言わずと知れたAltoria Groupです。今年の秋ぐらいから個別を色々と見ていた中で、配当利回りがかなり上がってきていたので、個別にも手を出すようになりました。 - BTI
MOと同じくタバコ銘柄のBritish Tabaco Internationalです。MOと同じで、配当利回りを見ながら買い進めようと思っています。 - ARCC
これは全くの未知数。趣味の投資としてリスクを取りながら余剰資金でタイミングを見て買い足そうぐらいのノリです。多くは買いません。
キャッシュ
これら証券や生活防衛資金とは別に常に10%程度のキャッシュを手元に置いておいて、いつぞくるマーケットのクラッシュに備えています。
投資のKPIは
結局、この投資活動を通じて、自分は何を実現したいのか?それを実現するためには何をKPIとすれば良いのか?ということなのですが、どこまで行けるかは別として、私はこの投資活動を通じで、経済的自由を実現したいと思っています。
経済的自由の尺度は人それぞれですが、なんとなくサラリーマンをやめると言う選択肢を私は取らなさそうな気がするのですが、そのオプションをいつでも行使できる状態にしておきたいと考えています。
その数値目標は、年間の税引後配当収入が$60Kぐらいが目安になるかなと考えています。今の所、予定年間配当収入は持株会の配当際投資分を含めても$3.7K程度にしかならないため、米国株投資を通じて配当収入を$55K程度上積みできるようにしたいと思います。
VYMの配当利回りが3%程度なので、VYMだけでこれを実現しようとすると現在の評価額で1.8M程度の資産が必要になり、なかなか直ぐには達成できなさそうですが、より配当利回りの高い個別株を組み入れたり、QQQやSPXLなどを使ってマーケット以上のキャピタルの成長を享受しながら、最終的にVYMに落とし込んでいくような投資ができれば良いかなと考えています。
まとめ
- 幸か不幸か意図せずに米国株投資かデビューしましたが、ドル建てで給与を稼いでいる限りは日本で日本株に投資するのとなんら変わらない気楽な感じで投資を楽しんでいます
- 米国株はリスクが・・・と思って二の足を踏んでいる方がいたらまずは初めて見るのが良いかもしれません。日本で思っていた時とは違った景色が見えてきます
- 私の設定したKPIは税引後配当で$60K程度です