はじめに
過去にいくつかレバレッジETFに関してメモをしましたが、それらを踏まえたうえで、資産運用において、レバレッジETFをどう使うのが良いのか、最近考えていることをまとめておきます。
特徴を整理
いろいろなところで、色々な方が書いていますが、レバレッジETFには以下の特徴があります。各々簡単に説明します。
- 値上がりも値下がりも基準とする指標の変動率の3倍
SPXLはS&P500、TQQQはQQQ(Nasdaq100連動のETF)の値動きの割合の3倍に比例します。例えば、基準となる指標が3%値上がれば、レバレッジETFは9%値上がり、3%値下がれば9%値下がります。とても単純です。 - 複利は日次で働く
これは、日次で清算するという商品の性質上当たり前と言えば当たり前の話です。故に、指数が毎日10%3日連続で上昇した場合、指数は1.331倍になりますが、ETFは2.197倍になり、三日後の変動率は指数よりもはるかに大きくなっています。 - 基準とする指標が上下を繰り返すボックス相場では減価する
これは、変動率が指数の3倍に設定されているため、一度値を下げた後に元の根に戻すのには指数以上の上昇率が必要になり、それを繰り返しているうちに、指数があまり大きく成長しない状況においては、ETFは原価を割ってしまうことがありうる。と言う話です。 - 純粋な信用取引とは違いマイナスになることは無い
私には縁はありませんが、信用取引をした場合、自分が持っている以上の金額を投資できるため、資産がマイナスになる可能性があるのですが、レバレッジETFではこれがありません。自分が投資している元本の範囲でしか損失は発生しません。
レバレッジETFの運用方法
上記の通り特徴をまとめたレバレッジETFですが、どういうシーンで買い、どう運用するのが良いのか?が最近自分の中で整理されてきました。
買うべきレバレッジETF
上記にまとめた通り、ボックス相場が続くような指数を対象としたレバレッジETFはみすみす資産を減少させるだけなので買うべきレバレッジETFではありません。レバレッジETFは順張りに徹するべきで、長期でみて右肩上がりに成長している指数を基準としているETFとするべきです。この点から、私はSPXLとTQQQを対象に買い付けを行っています。
買うべきシーン
長期投資家にとって買うべきシーンは「常に」なのですが、右肩上がりの指標に連動させているという前提においては、定期的に積み立てるのが良いと思います。一方で、大きく買いに出るシーンも別途あると考えます。それが、今回のCovid-19による暴落や、9月初旬からの調整局面だと思います。但し、ポジションを持たずに外からそれを見ているだけでは、それがいつ訪れるのか、訪れたときに機動的に買いを入れられるか?ここに疑問があるため、私は定期的に買い付けを行うことにしました。
運用方法
定期的に買い付けを行い、暴落と見るや大きめに買い向かう、そんなことを繰り返していれば自ずと資産は膨らんでいくのですが、それでも、そこまでの蓄積が次の暴落で溶けてしまうのを見るに、なかなか握力強く握っていられる人も少ないと思うので、必ずTrailing Stopで売りを出しておきます。
Trailing Stopは日本語だと何というのかは分かりませんが、Market Price のSellを出すTrigger Pointを基準価格からの%で指定でき、それは上方向にしか動かないオーダー方法です。これでいわゆる利確をします。
また、このTrailing Stopの注文内容ですが、これは指数の標準的な上下幅の3倍を目安に出します。当たり前と言えば当たり前ですが、この幅があまりに短いとどんどん約定してしまい、得られるはずだった利益をみすみす逃すことになります。
なお、この注文を出しだすタイミングですが、私は直近の高値を確実に超えたくらいからGT90で注文を出すようにしています。これは、あまりに早く出し始めると、単純に損失を確定するだけで終わってしまう可能性が高いからです。
ここまでの成績
この考え方が固まってきたのは最近の話なのですが、たまたまCovid-19の前からSPXLを少しずつ買い始めていたこともあり、3月はその異常な安値を見るにつけ、大きく買い向かい、と言っても知れていますが、、、現在では含み益が60%程度まで上がってきました。まぁ、利確したと思いきや、損切りしていたという事実もありましたが・・・。また、9月の最高値前後からTQQQを買いだしていたということもあり、TQQQに関しても最近では±0まで戻してきました。
まとめ
- レバレッジETFを使った運用に関して最近考えていることをまとめました。
- 大量の資金は投入できませんが、一部の資金を割り当てることで、だいぶ資産効率を上げられると思います
- このアプローチも万全ではなく、売りのオーダーはMarketなので、場合によっては暴落の底値で約定してしまうこともあり得ます
- 投資は自己責任でお願いします