はじめに
株式の益回りと債権の利回りに関して新しい知見を得たので、ここに記しておきます。
株式の益回りの考え方
株式には2種類の利益があります。株価自体の上昇に伴ういわゆるキャピタルゲインと言うもので、株数が増減しない前提においての資産価格の変動を指します。もちろん、増えた場合をキャピタルゲインと呼び、減った場合をキャピタルロスと言います。一方で、配当などによる利益をインカムゲインと言います。インカムは0になることはあっても、マイナスになることはないので、インカムロスと言う言葉は存在しません。
これら、二つの利益の合計の、元になる株価に対する割合を益周りと呼び、株価を評価する一つの指標などになったりします。これを直接求めて益周りを出している人がいるのかどうかは知りませんが、一般的にはPERの逆数として求められるようです。つまり、PERが20倍の株式であれば、益周り5%と言うことです。
債権利回りの考え方
債権利回りの考え方はもっとシンプルで、年限によって短期から長期までありますが、現在の取引価格で債権を買った時に、償還時に得られる利益は取引価格の何%か?と言う話です。つまり、1年後に101円で償還を迎える債権が、今現在100円で売られているとしたら、1年後の利益は1円なので、利回りは1%と言うことになります。
これまでの私の理解
債権と株式の間でその利回りを比較して、資金が循環していると言う大まかな話は理解していました。また、その際の指標は株式の益回りと債権の利回りだと言う話も理解していました。つまり、投資家としてはより利回りの良いもので運用して少しでも大きく稼ぎたいと思うと言う話です。そして、往々にしてこれが行きすぎることがあるため、景気の良い時には株式は買われすぎ、債権は売られすぎるため、株式の益周りは低下し、債権の利回りは上昇する(価格は下落する)。その後、ある時点でこれを修正するために資金が株式から債権に流れていく。これを繰り返すのが資金循環の大きな考え方です。
最近得た新しい知見
これに加えて、当たり前すぎて見過ごしていた新しい知見を最近得ました。株式の価格は理論的には、一株当たり利益の将来にわたる合計として導き出されます。一方で、将来のお金を現在価値に戻す際には、それを期間に応じて割引して考える必要があります。この割引に使う値が、リスクフリーレートと言われるいわゆる債権の利回りです。この債権利回りが上がればあがるほど、つまり、債権価格が下がれば下がるほど、将来の一株あたりの利益を割り引く値が大きくなるため、将来の一株あたり利益の現在価値が下がり、結果、株価が下がると言う話です。
なるほどなと思いました。
債権から資金が株式市場に流れ込み、債権の利回りは上がり(債権価格は下がる)、株式価格は上がるのですが、株式価格が上がる一方で、債権利回りも上がっているために、割引率も上がり、どこかで株価の上昇が頭打ちになるタイミングが来ると考えられます。そうなると、その頃には、債権価格は十分に低下し、債権投資でも利回りが得られる状態になっているため、改めて、株式から債権に資金が戻っていく。そんな流れがあるんだろうなと思いました。
実際どうなんだろう?
まとめ
- 検証はできませんが、債権利回りの変動に合わせて、一株当たりの利益の割引率が上がるため、あまりにも高い株価はいずれ修正があると言うのが改めてわかりました
- こう言った大きな流れに関する知識をより多くつけて、うまく株式市場と付き合えるようになりたいと引き続き思います