日本語は場の言語である

これは常々思っていたことなのですが、スイスに来て日常的に英語を話し、日本語を理解しない人たちに「これって日本語で何ていうの?」って言われた時に「的確な説明」をできないことが多く、やっぱりそうだよなと改めて思ったことなので一つの気づきとして書いておこうと思います。

「場の言語」という言葉をグーグルで検索すると「場の言語学」というワードがよく引っかかります。これは何かというと、物理学で言うところの「場の理論」例えば、重力場とか電磁場とかの様に「物体」とそれを取り囲む「環境」によって物体の挙動が規定されるという話を言語学にも応用している方々の研究成果だったりする様です。双方の専門家の方からしたら何と安直な説明なんだとお叱りを受けそうですが、私の理解もそんなもんなので流します。

で、この「場の言語学」が言うには、

欧米のポライトネスの考え方では、日本の敬語や待遇表現を理解することはで
きず、これと異なる「わきまえ」(井出
2006)という考え方が必要であることが明らかにさ
れてきた。その背景には、日本の文化の基底にある「場」を重視する考え方(城戸
2003
清水
2003
)があり、その場というものが日本語の文法や談話の構造に大きな影響を与えていると考えられる。場があることにより、状況やコンテクストに依存しなくても、主語を明示しないまま意思疎通に支障がないため、日常的に主語のない談話が交わされる。(出典:http://homepage2.nifty.com/jcla/japanese/2013/ws2013/ws1.pdf


ということらしいです。


私の着眼点とは微妙にずれていますが、概ね守備範囲は重なっていると思います。彼らは、「日常的に主語の無い談話」が交わされる理由は「場」があるためと主張しています。私の意図する日本語の「場の言語」性は「日本語において主語と述語を決めるのはその会話が行なわれている状況」であるということです。つまり、友人と話すときは「あれは俺が片付けておいたよ」という一方で、目上の人と話すときは、「あちらは私が片付けておきました」とか言います。会話をする二人の話者の立場が同じ場合、もしくは自分の方が目上の場合、一人称として「俺」を使うことができますが、目上の人と話している際に一人称で「俺」を使う人はいません。同じ様に「片付ける」という動詞をどう変化させるかも状況によります。この、主語及び述語を決定する状況を「場」と呼び、私は「日本語は場の言語である」と考えています。


例えば最近私がよく話す英語では、一人称は単数なら必ずIです。どんな時でも単数ならIです。二人称はyouです。ご想像に難く無いと思いますが、ここで一つ問題が発生します。クラスメートに「Iって日本語で何ていうの?」って聞かれた場合に何て答えましょうか?無難なのは「私」ですね。概して丁寧であることを嫌う人はいないので、誰に対しても目上でも目下でも「私」を使っている限りは問題は発生しませんね。実際に女性は誰に対しても「私」を使いますし。次に無難なのは「僕」ですかね。ビジネスシーンではちょっと問題ありですが、日常生活では特に不便は無いですね。なので、とりあえず「私」って教えておけば問題無いのは無いのですが、でもそれじゃ日本語っぽく無いというか、教える側として不誠実な気がしちゃって、どうも割り切れないでいます。主語だけでも無数にあるというのに、さらに述語もとなってしまったらもはや教える気も失せます・・・。


と思うと、英語は何て経済的な言語なんだろうとも思います。誰と話す時でも私はIで、あなたはYouです。IMDでは教授もFirstNameで呼ぶので、プログラムダイレクターやゲストスピーカーとして招かれたどっかのCxOですらFirstNameで呼んでしまいます。とてもシンプルですが最初はちょっと抵抗ありました。まぁ、最初だけですけどね。


さて、この難解な「場の言語」たる日本語ですが、一対一で話をしているケースでは「場」が変わることもなく、一度認識してしまえばその場に沿った言葉を使えば良いのでもしかしたらうまく話せるかもしれません、しかし、会話というものは往々にして三人以上の複数人で行うことが多く、その際は自分とその他のメンバー個々人との関係性を考察し、適切な言葉を選ばなければならず、これはもはやネイティブのみぞ達成できる達人の境地なのかもしれません。否、ネイティブですら正しく日本語を操れていないことの方が多いのかもしれません。プライベートであれば、どちらかに寄せ切ることで違和感を取り除くことも可能かもしれませんが、ビジネスシーンで自分が丁度ヒエラルキーの真ん中あたりにいた場合、話す相手によって言葉を変えて・・・。考えただけでも頭が痛くなります。故に、会ったことはありませんが、ビジネスシーンで自分がヒエラルキーのど真ん中にいる状況で見事に日本語を操れるノンネイティブは尊敬して止みませんし、ただ流暢に日本語を話せるノンネイティブの方に会うだけでも相当な勢いで尊敬してしまします。


だいぶ話が逸れてしまいましたが、結局のところ日本語は話をする状況(主には誰とどこで)に依って同じ意味でも選ぶ言葉が変わり、それを規定する状況のことを私は「場」と呼び、それにより言葉が規定されるため、「日本語は場の言語」であると考えます。





IMDでの出来事(29週目〜36週目)

特段忙しかったわけでは無いのですが、どうも更新をサボってしまいがちです。多分、忙しくなくなったってことが、逆に緊張感を無くさせて更新する気を削いでいるのでは無いかと思います。前回更新が7月末だったので、今回はそれ以降の8月初旬〜9月中旬のお話です。

8月一週目までは、Company Engagement Projectという名の下、短期間のインターンをする機会が設けられました。クラスメートの殆どは私費で参加している為にこのCEPで良い結果を残せれば、将来のジョブオファーにつながるかもしれないということもあり、みんな結構真剣に受け入れ先を探していました。社費できている自分は会社の都合でインターンをすることができない為、Individual Projectという名の下に、自社が中期経営計画に沿って本気で海外売り上げを上げるにはどの様なオプションがあるかということを考察しました。

最初はあまり乗り気ではなかったのですが、CEPの期間中電車で2週間ほど欧州旅行をしている間に、「オープンな引きこもり」をする機会を得たのでその際に移動と合わせて気合を入れて頭の中でIndividual Projectの骨格を作り上げて、帰ってきてからレポートにまとめるといういいんだか悪いんだか何とも言えないことをしてきました。レポートの内容は9月に入ってからIndustory Panelという名の下、IMDの卒業生でその筋の人にプレゼンをしてきました。私のプレゼンはとあるWebメディアのCEOが対象となりちょっと構えていたものの、思いのほかフランクな方で、とても気が合ったので個人的にこの人を自分のメンターとしようと思いました。お忙しい方なので、そんなに多くのコミュニケーションを取れるわけでは無いのですが、これからは自分のキャリアの判断に悩んだタイミングで意見を仰ごうと思います。

8月後半はDiscovery Expeditionsという名の修学旅行へ行ってきました。私は幸運にももともと希望していたメキシコ・アメリカ組に割り振られて、人生初のメキシコ入国を果たしてきました。メキシコといえば、ちょっと前はネクストイレブンと言われていたのですが、実際はどうなんだろう?と興味がありました。実際に行ってみて、まずは人口の多さに驚きました。およそ1.2億人で日本のそれとほぼ同じです。一方で貧困率はおよそ60%と経済発展の恩恵を受けられていない人の多さにも驚かされました。それでも、メキシコの人口ピラミッドはまだ正三角形に近く、これから人口ボーナスの恩恵を受けられる可能性があると思うと、この先も順調に経済成長することで貧困の解消につなげて欲しいと思いました。

Discovery Expeditionsではちょっと心に残るシーンがありました。現地のNPOの方々と連携して、貧困層の方々が「人としての尊厳をもって生活する」ことができる様にということで、テトラパックで作った壁紙を彼らの住居の内側から貼り付けることで、酷暑厳冬にも耐えられる様にしてきました。自分たちがやったこと自体に文句は無いのですが、そのやり方と後始末にちょっと心が痛みました。
日本人だからなのか、個人的な感情なのかはわかりませんが、どうせやるなら綺麗に丁寧に住む人に喜んでもらえる様にしたかったのですが、活動の目的がそれを貼り終わらせることになってしまっていた点に不満を覚えました。また、もう一点は作業が終わった後にNPOの方々から頂いたペットボトル入りの水で手を洗うという行為を何とも思わずにやってしまうクラスメートを見て、さすがに我慢できずに一言物申してしまいました。そこに住む方々は1日1ドル以下で暮らしているという説明を聞いていたにもかかわらず、何でそんなことができるんだろう?と。まぁ、ここで英語で文句を言える様になっただけ留学の成果があったかなとも思ったのですが。

Discovery Expeditions後はリーダシップのクラスがあり、その後コーチとの1対1のミーティングを経て、先週始まったOn Campus Recruitingへとつながります。ここでは、キャリアフェアとジョブインタビューを一気にできるということもあり、クラスメートは気合の入り方が違います。一方で、その日のうちに結果が出るのでかなりナーバスになっていることも事実です。私は社費派遣のためにOCRには参加できないのですが、そうでなかったらかなりのストレスを感じていただろうと思います。

日本の免許を持っている人がスイスの免許を取得する方法

この件に関しては、先にスイスにいらっしゃった皆さんが色々と情報をアップしてくれていましたが、情報がまちまちだったりで結局のところどうなの?というのがわかりずらかったので、今後スイスにいらっしゃる方の参考になればということでここにまとめておきます。

スイスの免許は必要か

そもそも、スイスの免許を取得する必要があるのか?
スイスで運転手として働くわけでなく、滞在期間が1年以下なのであれば在スイス日本国大使館のページに記載の通り、日本の運転免許があればスイス国内で運転することができるので、必ずしも免許を取得する必要はありません。一方で、スイスで運転手として働く、もしくは、一年以上スイスに滞在する予定で、引き続きスイスで運転をしたい場合は必ずスイスの免許を取得しなければなりません。
海外で車を運転するときには国際免許が・・・という話もありますが、同じく記載の通り日本で発行できる国際免許は、スイスでは公式には免許としては認められないため、これを持っていても日本の免許なしでは運転することができません。じゃぁ、なぜそれを持って行くかというと、スイスの警察官が日本語を理解できるわけはなく、日本の免許を見せたところで、それが免許なのかどうかすら確認することができないため、翻訳の代わりに持っているといいよね。ってぐらいの話です。
じゃぁ、なぜわざわざ必要のない免許を取得するのか?という話ですが、これには幾つか理由があります。
  1. ヨーロッパ全域で運転できるようになる
  2. 生涯有効で更新不要
  3. IDに変わる身分証明書を得られる
  4. 単なるコレクション

等でしょうか。4は置いておいても、1〜3だけでも十分取得する価値があると個人的には思います。

スイスの免許をどうやって取得するか

では、実際にどう取得するかですが、大まかな流れは以下の通りです。
  1. 申請書を入手する
  2. 日本の免許の翻訳を作成する
  3. 視力検査をする
  4. 在住証明のサインをもらう
  5. 申請書を提出して免許を受領

各々、以下で説明していきます。

申請書を入手する

申請書はWEBでダウンロードできるという話なのですが、いかんせんフランス語でしか書いていないため、見つけるのは困難を極め結局諦めて現地にもらいに行きました。現地へは21番バスに乗り、Bossonsで下車し徒歩5分ぐらいです。

日本の免許の翻訳を作成する

これが少し混乱するポイントではあるのですが、免許の翻訳と日本で発行できる国際免許は別物です。免許の翻訳は居住地の近所の大使館もしくは領事事務所で依頼し、作成してもらいます。Lausanneの場合はGenevaに日本領事館があるので、そこで依頼して作成してもらいます。依頼してから1週間ほどで翻訳が出来上がり、受領時にCHF17支払います。翻訳の依頼に際しては、日本の免許証を預ける必要があります。

視力検査をする

街のメガネ屋さんで視力検査をして、あらかじめ取得しておいた申請書に結果を記載してもらいます。視力検査の方法は日本のそれとほぼ同じで、視力に応じたサイズの文字を読んだり、視野の広さを測ったりします。CHF20でした。

在住証明のサインをもらう

コミューン(いまだにこれが何なのかはわからないのですが引っ越したら最初に行くところです)へ行って、申請書の該当部分にサインをもらいます。おそらく、申請者が確実にその住所に居住していることを証明するためのサインなのだとは思いますが、これも確かCHF17ぐらい払ったと思いますが、こんなことに金取るなんて・・・。

申請書を提出して免許を受領

ここまでの事前準備を終えると、ようやく申請書を完成させられます。あとは、申請書内にある質問事項に一つ一つ答えていき、写真を貼ったら完成です。完成版の申請書、日本の免許及びその翻訳、IDを窓口で提出すればものの数分で完成した免許を受領できます。なお、運転できる自動車の重量がスイスと日本では異なるらしく、日本では確か8tだか幾らかまで運転できるはずなのですが、スイスではそれはプロフェッショナルなライセンスになるらしく、それも合わせて取得しようとすると、別途試験を受ける必要があるらしく、「どうする?」と聞かれたので、「めんどくさいのでいらない」と答えて、追加でその部分を省くみたいな宣誓書にサインして、無事に手続き完了しました。
費用は不明ですが、2、3日後に請求書が郵送されてくるらしいので、開けてみてからのお楽しみです。CHF45という噂を聞きましたが、実際どうなんでしょうか。。。

参考にした情報

Lausanneでできる料理 その2

Lausanneだけに限らないのですが、この辺(多分、スイスとドイツをはじめとしたその他欧州各国も含む)では、日本で簡単に買えるような、一口大に切られた鳥もも肉を簡単に買うことはできません。そもそも売ってないからです。ヘルシー志向という噂もありますが、鶏肉は圧倒的に胸肉が人気のようです。その他脂肪分の少なさそうなうさぎなども売っていますが、あのジューシーな鳥もも肉は簡単には手に入れられません。でも、鳥もも肉が好きで好きで仕方ない自分は試験も終わり、一息ついた6月についに一大決心をして、骨つきのもも肉(クリスマス会とかに出てきそうなあれ)を買い、自分の手で解体することにしました。

調べたところ、同じ悩みを持つ主婦の皆様(自分は主婦ではなく単なる学生ですが・・・)は欧州各国にいらっしゃるようで、程なく動画付きで丁寧に教えてくれるサイトにたどり着きました。たとえばこれとか、これとか。Lausanneは牛肉、豚肉が高く、今まではなかなか動物性蛋白質を摂取することが難しかったのですが、鳥もも肉は人気がないのか比較的安く買えます。これで、スーパーの安売りなどで幾つか仕入れて解体して、冷凍しておけばいつでもあのジューシーな鳥もも肉を食べることができます。もちろん、解体して残った骨は出汁をとるために余すところなく使っています。

日本がいかに便利な国か、骨身にしみて感じる一方で不便な環境に身を移すことで、得られる技術もあるんだなと改めて思います。

文化的な違いを受け入れる難しさ

IMDのプログラムの一環で、イタリアにあるSantuario di Oropaへ行きました。ここは、イタリアの北部、スイスの国境とほど近い山間部にある、世界遺産にも登録されている修道院です。カルチャルトークとは別に、ただここを訪れるだけでも価値のある場所だと思いました。修道院に宿泊することができ、そこを拠点に簡単な山登りもできます。頂上からはヨーロッパアルプス(多分)を一望でき、とても満足感の高い場所です。

ここでは、キリスト教の司祭の方のお話を伺い、後に事前に配布された読み物を一通り読んだ上で、なぜ自分たちはそういう行動をとるのか?を文化的背景から探っていきました。ここでの気づきは、大きく二つありました。

  • 一神教と多神教の交差点

件の司祭さんが、”You can find God everywhere in the world”と仰っていました。最初は特に気にならずに通り過ぎてしまったのですが、改めて考えると「はて?」って思います。キリスト教は一神教なので神は一人しかいないはずなのに、どうやったらeverywhere in the worldに神を見つけられるんだろう?と。
ということで、普段あまり講演者に質問をすることはないのですが、気になって仕方がなかったので、休憩時間に思い切って質問をしてみました。「多神教の世界で生きている自分からすると、とても理解できる話なんだけど、一神教徒の方々はそれをどう解釈してるの?」
彼の答えには、「なるほど」と頷かされました。それは、実際にそこに神がいるわけではなくて、万物は神の働きかけによって今ある形(形態、運動などなど、目に見えるもの見えないもの全て)になっている。と解釈することで、世の中のいたるところに神を見つけることができるとのこと。

  • 木を見て森も見る

ここでは、インドと日本がペアになりお互いの文化を紹介しました。事前に渡された資料がちょっと古い文献だったために、インドと日本に関する記述に偏りがあったことも原因だと思うのですが、インドの発表はなかなか刺激的なものになりました。
プレゼンテーションは、ディベートではなくせいぜいディスカッション程度だった思うし、またテーマもどちらがより優れているかではなく、文化的背景が自分たちの行動様式にどう影響しているか?だったはずなのですが、日本とインドを比較してインドがいかに優れているかのプレゼンになってしまい、彼らの行動様式に影響する文化的側面を見ることができなかったのが残念でした。
プログラム全体、修道院でカルチャルトークをする意味、それらを踏まえた上で自分が今しなければならないプレゼンテーションはどういったものか?まで意識して色々とできるともっと彼らのプレゼンスは増すと思うのですが、なかなかうまくいかないみたいですね。日本よりもはるかに厳しい競争を勝ち抜いてきた精鋭がここにはいるので、どうしても自分たちの優位性を示したくなる気持ちもわかるのだけれども、今はそれをするタイミングじゃないかな。

IMDでの出来事(15週目〜28週目)

気がついたら、15週目(おそらく中間試験終了後ぐらい)からずっとblogの更新が滞ってしまいました。この間、学校の勉強+MBAT出場に向けたIMD側の取りまとめと、HECとのやりとりなどをしていたら忙しすぎて色々なことに手が回らなくなり、blogも置き去りになってしまっていました。

気がつけば、期末試験も終わり、IMD公式のプログラムとしては今はCEP: Company Engagement Projectの期間に当てられています。90名の学生全員が個別に受入先企業を探して5週間インターンをしています。ローザンヌをはじめとしたスイスの企業でやる人や、地元(といっても、世界各地から来ているので米国やアフリカなどいろいろ)に戻ってやる人など行き先は人それぞれ千差万別です。社費派遣でIMDに来ている私はインターネットをすることができないため、Individual projectをすることになっています。

さて、冒頭に触れたMBATですが、これはHEC-Parisというフランスのビジネススクールが主催してこの25年間ぐらい行われている、言わば欧州MBA大運動会といったところです。欧州全域からおよそ20校2000名が集まり、各学校の威信をかけて色々なスポーツで競い合います。
スクールによっては、オフィシャルのプログラムとして登録されており、学校側との調整もなく簡単に参加することが可能なのですが、IMDはここ数年参加しておらず、最後に参加した際の情報もうまく引き継がれておらず、すべてを0から始める必要があり取りまとめの人間としてはなかなか苦労しました。
それでも、最終的にはMBATの打ち上げでIMDから参加したみんなの満足気な表情を見ることができて、やった甲斐あったかなと思います。来年以降のクラスが参加するのかは不明ですが、参加する人がいた場合の参考のために以下にポイントをメモしておきます。

  • 参加意思の表明

まずもって、HEC側に参加の意思を表明する必要があります。

例年参加している学校であれば、HEC側から声がかかるのかもしれませんが、IMDは久しぶりの参加かつプログラムの開始が1月のため、何はなくとも出遅れていました。今年はHECが各校に参加者の上限を割り当て、余剰が出たらウェイティングリストに順次割りあてる形となっていました。IMDは参加表明が1月だったため、20名しか割り当てられませんでした。その他の学校は100名だったと思います。

  • 参加者の調整

スポーツごとに参加メンバーの下限と上限があります。例えば、クロスカントリーであれば3名チームを2チームまでエントリーできたので、最低3名最大で6名でした。これを、参加希望するメンバーの中で割りあてる必要があります。どの競技に何名エントリーできるかはHECからの情報を待つしかないのでどうにもできないのですが、競技間の人数調整はなかなか難しいです。あの競技に参加したいんだけど、一緒に参加する人を探しているとか言った情報をうまく吸い上げて、チームとしてまとめる必要があります。

  • 学校との交渉

MBATは木曜の午後に参加登録、金曜の朝から競技開始、土曜の夜に終了のスケジュールです。IMDは通常通り授業があるので、参加者が多数になり木曜からフルで参加する場合には、事前にMBA Officeと調整しておいたほうが無難でしょう。彼らは、学生にプロフェッショナルであることを求めるので、当たり前ですが大量の人がクラスをスキップすると問題になります。2016のケースでは、金曜の最後のクラスが終わったらその足でローザンヌ駅から電車で会場入りしました。本来であれば、金曜の夕方には1週間のレビューがあるのですが、それだけはクラスのオンブズマンに話をしてずらしてもらいました。

  • スポンサー探し

今年は運営を一人でやったため、ここまでは手が回りませんでしたが、もし運営を複数人でやって、地元企業や卒業生などとコネクションがある人がいたら、スポンサーを募ってもいいかもしれません。MBATの参加費用自体は350ユーロでしたが、補助があるに越したことはありませんね。

クラスはというと、色々とありましたがより物事を包括的に捉えるためのクラスが多かったと思います。コーポレートファイナンス、International Politics and Economy、Strategyなどなど。いずれのクラスも大変興味深かったのですが、個人的にはやっぱりFinanceとInternational Politics and Economyですね。
といった具合で、いくら時間があっても書ききれないので、これで15週目以降の振り返りとします。

バナナの食べ頃

もちろん、人それぞれなんですが大まかにあると思うんです。きっと、大体の人が下の画像の⑥か⑦なんじゃないかなと。

この画像はこちらからお借りしました。
うちの兄は昔から青いバナナが好きだったので、④や⑤ぐらいのものを食べてました。でも、それってまだ熟して無いやつだよね。っていう家族の共通見解でもありました。
で、IMDでは毎朝果物が用意されていて、その中の一つがバナナです。だいたい③〜④ぐらいのバナナがいつも用意されています。おそらく50本ぐらい置いてありますが、全て③〜④ぐらいの熟し具合で置かれているので、極めて⑦に近いぐらいのバナナが好きな個人としては、青臭くて食べられません。
まさか、バナナの食べ頃で日本とスイスに差があるとは思いもしなかった。

IMDでの出来事(14週目)

IMD生活の振り返り

Leadership x 2, Entrepreneurship x 5, Career Service x 2, Strategy x 1. 2nd termが本格的に始まりまってきた。また、それに伴ってCareer Serviceも本格的に始まってきた。CV, Guest speakerそのた諸々いろいろな企画が進行中。個人的には就職活動とは無縁だけれども、見識を広める意味でもいろいろな人との接触を開始。

Career Serviceの企画でHR Panel sessionが開かれ、幾つかの会社の人事担当者がIMDを訪れて採用に関する意見交換をしました。まぁ、転職はできないのであまり本腰を入れてはいないものの、本社を大阪からスイスに移してしまうなんて大胆なことをしたSUNSTARの話だけは興味深く聞くことができたかな。
あとは、NestleのCEOの話。どうも人によって感じ方は違うみたいだけれども、個人的にはContextual thinkingが大事だよって言っていた点かな。

来週のIMD

Entrepreneurshipのクラスがついに終了します。Start-up Projectと並行していたクラスで、Start-up Projectの最終発表を以ってクラス終了です。最終プレゼンうまくいくように頑張ろう。その他Strategyなどなど。International Managementってなんだろう?

IMDでの出来事(13週目)

IMD生活の振り返り

Mid-term examが終わったということは、Building Blocksの半分が終わったということで、すでにIMD生活1/4が終わったことになります。この2.5ヶ月は確かに忙しかったのですが、この歳になって自分の選択でこんなに贅沢な時間の使い方ができるとは思ってもいなかったので、残り3/4も人生におけるレバレッジを十分に効かせられるように頑張っていこうと思います。

これまでのIMD生活を簡単に振り返ると、だいたいこんな感じ。

ハード面

この業界でハードと言うと主に学校で習う科目のことを指すのですが、こんなことやりました。

Industry Analysis & Economics

プログラムダイレクターのRalfの授業。各個人が所属していた業界の紹介、チームごとに割り当てられた業界の分析をして、この先その業界が進む未来はどんな感じになると考えられるかをまとめて発表。

Accounting

いわゆる財務諸表(Balance sheet, Income statement, Cash flow statement)を読めるようになり、企業活動のレコード(何買ったとか、売ったとか減価償却がどうとか)から適切に財務諸表を更新できるようになるのが1点目、2点目は企業活動におけるコストの考え方を身につけるのが目的。大まかには、直接・間接、固定・変動を分解した上で、どう割り振るのが適切なのかを検討しました。

Finance

色々とやりすぎて簡単にはまとめられないのですが、現在価値と将来価値などの話や、ポートフォリオ理論(個人的にはこれが一番興味深かった)、NPV/IRRを使ってのプロジェクトファイナンスの評価など。

Operation

クラスの名前はOperationなのですが、実際のところはSupply Chain Managementのクラスでした。ポイントは、SCMは企業の戦略に適ったものでなければならず、単なるlogisticsの話ではないということかな。7-11のケーススタディを採用してくれたのが個人的には何よりも嬉しかった。

Entrepreneurship

あまり興味があるわけではないので記憶が薄い・・・。どちらかというと、クラスよりもStartup projectの方に重きが置かれていて、projectの最終プレゼンが4月の中旬にあるので、もう一息です。

Marketing 

重要なのはSegmentationとBrand valueの維持。

ソフト面

Leadership 

NEOやCoach, PDEと言われる人とのセッションを通じて自分は一体誰なのかを考えつつ、リーダーとしてどう振る舞うべきかを意識しながら、自分の得意としないスタイル(wrong handといってます)で日々の活動を進めます。
個人的にとても興味深いと思ったのが「多様性」の考え方。これはクラスで誰が話したというわけではなく、個人的に感じたことでしかないのですが、IMDは誰もが認めるとおり「多様性」に富んだ学校なのですが、思考様式に関してはやっぱり欧米の学校だなと改めて思いました。結構大きな気づきだったので、そのうちちゃんとまとめようかな。

その他

Weekend Excursion

何だか結構それなりにできた気がします。スキー、オーケストラ、サッカー、その他週末のパーティーなど。この先も頑張ろう。

MBAT

前回IMDが出場したのはいつなのか分からないけれども、どうしても成し遂げたい行事の一つなので、言い出しっぺとして、幹事としてIMDの取りまとめをしつつ、HECの担当者とのやり取りをこなしながら、みんなが楽しめるような企画を進行中。来月にはみんなでMBATなので是非とも成功させたい。

来週のIMD

来週は主にLeadershipとEntrepreneurshipなのですが、ここでついにStrategyが入ってきます。どんな感じになるのやら。楽しみです。

IMDでの出来事(11、12週目)

IMD生活の振り返り

mid-term examに突入したこともあり、更新が遅れたので2週間分まとめていきます。

11週目の振り返り

Economics and Industry Analysis x 3, Finance x 3, Accounting x 2金曜はテスト準備を兼ねてお休み。Econは各チームに割り当てられてテーマに従ってグループワークを実施。うちのチームはThe Future of Workというタイトルで、この先「働く」ってどう変わっていくんだろう?をみんなで喧々諤々して一つのスライドに纏めあげました。Financeは主にProject financeの話だった気がする。プロジェクト評価の指標として、NPVとIRRがあるけど制限を理解して使わないと判断を誤りますよ。Accountingは試験に向けた準備としてのクイズを出されてそれをひたすら解いて、答え合わせして・・・。

12週目の振り返り

振り返るまでもなく、mid-term examでした。Finance, Accounting, Operationが今回の試験の範囲。いずれの科目もクラス中は分からないことも多かったものの、振り返りながら問題を解きながら、それでも分からないことは周りに聞きながらなんとか乗り切った感を出しました。結果が出るまでは分からないけど、きっと全てCは取れているはず。

来週のIMD

もう来週の木曜なのですが、今週は試験後の休み二日+1-2-1 meeting with Coach, leadership experimental 2。特に大きな動きはありませんね。