はじめに
先日、Twitterを眺めていたら、0円→1,000万円は大変だったけど、1,000万円→3,000万円はそれにくらべるとはるかに楽だったといった内容の投稿がありました。これに関しては、私も同じような感覚を持っていることもあり、なんでだろう?と思ったので、考察してみようと思います。
評価軸は額か、割合か
私の考えでは、これは意識しているかどうかは置いておいて、実は評価軸が評価対象と合っていないことが原因なのではないかと考えます。
つまり、0円から1,000万円に到達するのに必要だったものを額と考えるのか、割合と考えるのか、同じく、1,000万円から3,000万円になるのに必要だったものを額と考えるのか、割合と考えるのか?と言う話です。
各々こんな風に整理できます。ただし、0円からの増加割合と考えてしまうと割合では考えられなくなってしまうので、割合の方は便宜的に1円を基準に考えています。
# | ケース | 必要な金額 | 必要な割合 |
1 | 0円から1,000万円 | 1,000万円 | 10,000,000% |
2 | 1,000万円から3,000万円 | 2,000万円 | 200% |
一方で、株式を中心とした金融資産は、複利で増加するという話は有名な話です。例えば、S&P500の平均的な成長率の6.7%で資産が増加すると仮定した場合、各々のケースでどれぐらいの期間が必要となるのか?を整理した表が以下の通りです。この―ケースでは、同じく、ケース1のスタートは便宜的に1円とし、追加の入金はしない前提で評価します。
# | ケース | 必要な期間 |
1 | 0円から1,000万円 | 249年 |
2 | 1,000万円から3,000万円 | 17年 |
と言うことで、当たり前の話ですが、ケース2の方が増加「額」は多いのですが、必要な期間は短くなっています。これは、複利のもととなるタネが大きくなると、それだけ利回りから得られる絶対額が大きくなるためです。
と言うことで、話を整理すると以下のことが言えます。
- 前提として、資産は利回りの関数(つまり指数関数)で増えていくのに対して、0円→1,000万円、1,000万円→3,000万円と増加額で評価しているため、そもそも認識の齟齬があるというか、感覚として直ぐと言うのは至極まっとうな話で、事実早い。
- 1,000万円を達成するぐらいまでは、複利によるタネの増加があまり見込めず、資産の増加は入金力の関数でしかなく、これは右肩上がりではあるものの直線的にしか増えない。
- 一方で、1,000万(ここの金額はその人の入金力に依ります)を超えたあたりから、自分の入金力に加え、タネが作り出す利益(含み益と配当の両方)がそこそこのサイズになってくるため、それまでは(毎月の入金額)x12の関数でしか増えなかったものが、12が徐々に増えていき、13→14となっていくことで、年間の入金力が大きくなっていき、資産の増加に拍車がかかる
自分のケースを振り返ると
これは私自身のケースでももちろん当てはまります。数学の話なので当たり前ですね。どこかに記録してあると思いますが、私はつい昨年ぐらいに3,000万円を超えたばかりだったと思いますが、そろそろ準富裕層のハードルを越えそうなところまで来ています。まぁ、色々な理由があり資産評価額となっているので、安定的に準富裕層に居続けられるのはまだまだ先の話かと思いますが、それでもやはり、絶対額でみると設定したマイルストーンを超えるスピードが確実に上がっていると思います。
まとめ
- 複利はマーケットリスクに晒している資産に対して働くため、その金額が大きいほどその絶対額の増加は早まります。つまり、0円→1,000万円よりも1,000万円→3,000万円の方がある種簡単に達成でき、これは数学的にはとても普通の話なので、その認識は正しいです
- 一方で、これは投資のタネ銭を貯めることの重要性も同じく説いていて、ある程度タネ銭を大きくするまでは、入金力の関数でしか資産が増えないため、色々とやりくりをしながらできるだけ早くタネ銭を貯める必要があります
- 資産の増加を実感できるタネ銭のサイズに関してはまた別途どこかでまとめようと思います