近づき過ぎない方が見えることも確実にある

はじめに

自分では気がつかない、自分の特性がると言うのは、ジョハリの窓の話などもあり、まぁ納得はできるのですが、「なぜ自分にはその特性が備わっているのか?」と言うことに関して、少し閃いたので、記録しておこうと思います。

FeedBackの能力が飛び抜けている

私が知らなかった、第三者からみた私の特別な点は「FeedBackの能力が飛び抜けている。」と言うことでした。これは、私がIMDにいた頃に、当時自分についていたコーチ、つまりFeed Backの専門家、から言われたことなので、かなり信憑性が高いものと思います。また、その際に私が使っていた言語は英語であり、母語の日本語の一割も自分の考えていることを正確に表現できていなかったと思うと、これはなかなかのものなのかもしれないと改めて思います。

一方で、私自身はその認識は無く、そんなん言われたって、当たり前に観察した事実を当たり前の如く伝えているだけなので、それが優れていると言われても、なんだかなぁ。。。と思っていました。

なので、それ自体は頭の片隅にはあったものの、だからどうって話でも無く、「ふーん、、、」ぐらいにしか思っていませんでした。

二つのFeedbackの機会

最近、二つのFeedbackの機会に恵まれ、その視点が独特と言うか、同様にFeedbackをした別の人とはあまりにかけ離れていたことがあり、この話を思い出しました。自分としては、あまりにも普通にできることが、実は意外に価値のあることなのかもしれないと最近では少しずつ思い出してきました。

具体的な話を書いておきます。

プロジェクトの振り返りで

これは仕事の話なのですが、最近一つの大きな節目を迎えたプロジェクトがありました。とても大変なプロジェクトで、プロジェクトを進めるメンバーは大きな苦労をしながら、何とか区切りを迎え、業務を開始しました。ただし、色々と問題が噴出したため、改めて振り返る時間を設けて、チームで共有しようと言う提案をしました。

この提案をすること自体、他からは出て来ようが無いことなので、すでにその片鱗がうかがえている気もしますが、周りのメンバーとは明らかに視点が違うなと思ったのは、そのFeed backの内容でした。

今回は、Excelに各人思い思いのことを書いて、それをプロジェクトチーム側で振り返りのネタとすると言うアプローチだったのですが、自分の気づきを記載する際に、他のメンバーがどう言ったことを書いていたのかを見たところ、殆どのケースで、個別の事象を注視して、それがどうだったのか?と言う観点で触れられていました。それ自体はもちろん正しくて、何か批判を受ける様なものでも無く、至極まっとうなのですが、私が気になったのは、それら個別の事象が起きる背景にある物は何なのか?と言う点でした。

私の感覚だと、人が何かの行動を取る際には、本人から見てその行動をとるに値する合理的な理由があると考えています。つまり、他人から見ると一見不合理でも、本人的には全く持って合理的な理由があると言う物です。ギャンブル、お酒、タバコなどなど枚挙にいとまがありませんが、世の中だいたいそんなもんだと思っています。

そう言う視点でFeed Backのコメントを書いているメンバーがいないことを見て、少し違和感を感じるとともに、「あれ、これって?」と思い、IMDの時の話を思い出した次第です。

どうやって娘にパジャマを着させるか

娘をお風呂に入れた後には、もちろんパジャマを着させなければならないのですが、最近は、妻が用意したパジャマを着ずに、自分でクローゼットから好きなものを引っ張り出してきて着ることが多く、下着を着ずにパジャマをきたり、パジャマを着ずに洋服で寝たりと色々とおてんばな感じを出していました。

私はこの娘の行動を見るに、どちらかと言うと、何を着るかと言う点よりは、自分で着るものを自分で選んだ実感が欲しいのではないかな?と思いました。つまり、娘は洋服を着て寝たかったわけでは無く、自分で選んだ何かを着て寝たかっただけで、それが洋服であろうが、パジャマであろうがあまり関係がないのではないか?と考え、娘が自分が着て寝るものを選んでいる感覚を得られる様に、着させたいパジャマをわざわざクローゼットの選びやすいところに置いておき、自分が選んだ感を出すことで、満足して着てもらうと言うアプローチを取ってみたところ、これまでの行動が嘘の様に、パジャマを着て寝てくれる様になりました。

妻からは、何であなたの時だけそんなに言うことを聞いてくれるの?と言われたので、そんな話をしてみました。

なぜFeed backが得意なのか

この二つのストーリーは、なぜ私のFeed backの能力が優れいていると評価されたのかに対するヒントがある気がしました。

いずれも、当事者というよりは少し離れた点から物事を観察していると言うことです。

インターネットが無くても、世の中は情報に溢れ、重要な情報とそうでない情報とをより分けるのはとても大変です。その中で、物事の本質を掴み、何故それが起きるのか?を洞察するには、個別の事象を注視するだけで無く、特徴的なポイントを抜き出し、その行動を決定づける要因に想いを馳せる必要があります。それをやりやすくするのが、少し離れた立場からの観察なのではないかと思います。

IMDのケースでも、言葉が思う様に通じないからこそ、特徴的な点を選び出せたのかもしれないし、プロジェクトに対するFeed backにあたっても、自分自身はプロジェクトメンバーではなかったので、より客観的にプロジェクトの状況を評価できたのかもしれないし、娘のパジャマに関しても、基本的には妻が責任を持って日々面倒を見てくれているからこそ、少し離れた立場から娘の行動を観察できたのかもしれません。

これらは、良い悪い、優劣の問題では無く、役割分担の問題だと思うので、私に備わったこの能力を、自分の周りの人がより良く生きるために使えたらいいなと最近は考えています。

まとめ

  • 今回は他の人が見つけてくれた私の特技に関して書きました
  • Feed backを伝える、受け取る、これはどちらにとってもとても大変なのですが、これがうまくできるとチームとしてはとても強くなるなと思います
  • SEとしてのスキルにFeed backは全く不要ですが、これが私の特技なのであれば、この先も意識して伸ばしていこうと思います

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