聞き流すだけで英語が話せるようになったら、誰も苦労はしない

はじめに

「英語を話せるようになりたい。」と言うのは、少なからぬ日本人が一度は抱いたことがある希望かと思います。その大変さにつけ入るように、「隙間時間で」とか、「聞き流すだけで」とか、そんな甘い言葉が世の中には溢れていますが、子供が言語能力を獲得する過程を観察して、聞き流すだけでは言語の習得は全く以て無理だなと思ったので、ここにメモしておきます。

重要なのはインプット、アウトプット、インタラクション

言語能力獲得の第一歩が、いずれかの方法によるインプットであることは、子供でも大人でも変わらないと思います。子供は、字が読めないので、音によるインプットが中心になると思いますが、大人は字を読めるので、文字によるインプットが中心になると思います。

アウトプットは、どうでしょうか?子供の場合は、文字を認識できない状況では、アウトプットは発話に頼らざるを得ず、大人の場合は、これに加えて書くことができます。

こう比較してみると、大人と子供では、言語学習にあたっての選択肢が多い分だけ大人の方が有利な条件で学んでいるように見えますが、それでも、大人になってから自分の母語とは別の言語でコミュニケーションがとれるようになるまでに、多大な努力が必要になるのは、なぜでしょうか?

その答えが、周囲とのインタラクション、つまり、周りの人とのやり取りにあると私は考えています。

例えば、小さな赤ちゃんや、ようやく言葉をしゃべりだしてきた子供を見ると、相手が満足に話せいないと分かっていても、何とかコミュニケーションを取ろうとして見るのが、周囲の大人だと思いますし、その最たる例が両親だと思います。

子供は、この両親とのインタラクションの中で、色々と試行錯誤をして、この音は使える、この音は通じない、とか、覚えながら言語能力を獲得していくのではないかと思います。ただし、インプットが音だけであり、記憶力も弱いため、これを何度も繰り返す中で、自分が生きていく上で必要な言葉を脳に刻み込んでいくのではないかと思います。

一方で、大人はどうでしょうか?

新しい言語を習得しようとしたときに、どういったアプローチをとるでしょうか?参考書を買って、一通りの文法を頭に入れて、そこそこ行けるようになったら、簡単な本でも読んでみて・・・。みたいな形でしょうか?

たとえ、家庭教師や何ダリと言った、あなたにその言語を教えてくれる人がいたとしても、その人とのその言語でのインタラクションは、1時間/週とかでしょうか?168時間あるうちの1時間と考えると、誤差にもならないくらいかと思います。場合によっては、とある言語を学ぶための言語は日本語だったりして、その言語を使ってコミュニケーションを取る時間は、本当にわずかなものになってしまうだろうと思います。

この状態で、言語能力を獲得できるかと言われると、それは無理だと言わざるを得ないと思います。

こういった状況において、「聞き流すだけで、、、」とか、「隙間時間で、、、」とかいう広告がいろいろな人の耳目を引くことになるのですが、一億歩ぐらい譲ってそれでできるようになるのは、リスニングだけだろうと思います。

子供の話に戻りますが、うちの娘は2歳半を過ぎたところです。2年半、日本語と英語のシャワーを浴びまくり、両方の言語で周りの大人とインタラクションしまくっているうちの娘でも、ようやく片言に言葉っぽくなってきた、それぐらいです。

周りとインタラクションを取らない大人が、英語のシャワーを浴びたところで、結果は況やおや・・・。

子供は脳みそが柔らかいからとか、いろいろなまことしやかなことがささやかれる言語習得に関してですが、その根本的なところは、インプット、アウトプット、インタラクションだと私は思います。その言語だけの環境につかり、これらを死ぬ気でやり切れれば、言語は習得できると思います。英語だったらなおのことです。

まとめ

  • 聞き流すだけでは英語は話せるようにはならない理由として、私が考えていることをメモしました
  • それが技術であり、スキルであるならば、インプット、アウトプット、インタラクションを繰り返すことで、たとえ大人だろうと、ある一定のレベルまでは上達することは間違いありません
  • 一方で、聞き流すだけでは絶対に話せるようにはならないので、英語を学習している人はインタラクションに意識を向けて欲しいと思います

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